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2005年08月02日

GPS 携帯を使ったサービスが出ない訳

GPS 携帯が出てきた当時は、アレもできるコレもできるという話をいっぱい聞いたような気がするのですが、一向にそんなサービスが出てきません。なんでだろうなぁ。と調べてみたところ特許で縛られているようです。

その一例をあげると位置依存サービスをしようとしても、携帯端末がGPSなどから取得した位置情報を何らかのメッセージ(メールを含む)でサーバに転送して、そのサーバから現在位置に関するコンテンツを携帯端末が受け取ると特許に抵触します。

まじかー。とりあえず、一次情報の特許電子図書館で調べてみる。

【発行国】 日本国特許庁(JP)
【公報種別】 公開特許公報(A)
【公開番号】 特開2002-199423(P2002-199423A)
【公開日】 平成14年7月12日(2002.7.12)
【発明の名称】 座標ウェイポイントでメッセージにアクセスして記録するシステム及び方法

うーん。本当っぽい。また、請求項が非常に包括的なものになってるような気がする。

特許なんていうのは、結局のところ、結果論でしか議論できないような気がするので、どうしようもないなぁ。と思うのですが、取得した会社には、そのコスト相当の寛大な処置をしてもらいたいなぁ。と思っています。

そんなの誰にだって思いつくやん!ってのは、大概の場合、「その時に」思いつかないと思います。そして、画期的な事柄も、本人がその画期的さに気づいていない場合も多いのではないでしょうか。

ということで、どんどんアウトプットしておきましょう。

今回、いろいろ調べちゃったので GPS に関して、

そんな特許があるなんて知らなかった!

と、主張できなくなりました :p

ビジネスモデル特許やソフトウェア特許は、大変ですね。

※追記 (2005年8月5日 7:42)
実際の登録された特許は、以下の通りです。こちらを記載すべきでした。

【発行国】 日本国特許庁(JP)
【公報種別】 特許公報(B2)
【特許番号】 特許第3427063号(P3427063)
【登録日】 平成15年5月9日(2003.5.9)
【発行日】 平成15年7月14日(2003.7.14)
【発明の名称】 座標ウェイポイントでメッセージにアクセスして記録するシステム及び方法

再度読み直し、都合の良い方に判断すると、思っていたより請求項は狭いかもです。実際にライセンス提供や侵害で争うなどの行動が出ないと、なんとも。

【関連情報】
・2005年2月2日 (佐藤一郎: Web日記)
 http://home.att.ne.jp/sigma/satoh/diary/diary050331.html
・特許電子図書館
 http://www.ipdl.ncipi.go.jp/

2005年08月02日 16:24 | Technology

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コメント

実際に最終的に特許された内容(特許3427063号)は、ずいぶん狭い範囲になっていますね(文章は分かりにくいですが)。たとえば、参考文献としてあげられている特許平10-143922は、この特許とは抵触しないことが特許庁から保証されているわけです。

投稿者 名無し : 2005年08月05日 06:58

>> 名無しさん
ご指摘ありがとうございます。
よく読みなおしてみると、所々意図的(?)に抜け穴ができているようで、思っていたよりも請求項は狭そうです。ただ、解釈が良くわからない部分もそれなりに見受けられるので、なんとも。

特許平10-143922 の引用元がわからなかったのですが、どちらに記載されていますでしょうか?

投稿者 ceekz : 2005年08月05日 07:36

「名無し」さんとは違いますが、電子図書館で、経過情報検索の中の、番号照会を選びます。
で、例えば登録番号を放り込んで照会すると、出願情報、審判情報が出てくるわけです。それを開けば、20件ほど引っ張られて拒絶理由、もしくは取消理由を食らっている事がわかります。そして、引用文献が続々と・・・。でも、特開平10-143922はないなぁ。なんだろ?これ・・・。
それはともかく、食らっているのが「取消理由」だったりするので、ここで見られる登録公報よりも、さらに権利は減縮されている可能性があり、実はこの特許自体はもはや大したことはない、かも知れません(当業者しかわからないでしょう)。

しかし、だからって、これら引っ張られた特許くらいは少なくとも存在するわけでして、これを抜けてもあちらが立たず、と言う状況は逃げられないのかもしれませんね。

投稿者 なゆ : 2005年08月05日 19:20

本件は、特許の登録後に異議申立てがされ、特許請求の範囲が訂正されていますので、なゆさんがおっしゃるように、さらに権利は減縮されています。
特許電子図書館で審判検索を選び、審決公報DBで文献番号に2003-73637(異議申立て番号)を入力して、異議決定の公報の内容をご覧下さい。
私はGPSの専門家ではないので、この特許がどれくらい権利が広いのかは分かりかねます。

投稿者 shiranui : 2005年08月05日 21:50

>> なゆ さん, shiranui さん
私は、GPSにも特許にも詳しくないので、とてもためになります。
考えてみると、1つの情報(公開特許公報など)から、情報をたどりにくいですね。特に、クリックで勧めないのが大きい。というよりは、サーバが重くて、調べる気がどっかにいってしまうorz

投稿者 ceekz : 2005年08月06日 00:40

既にご存知でしたらすみません。
特願平11-338870ではないでしょうか。(→特許平11-338870)

エントリーで取り上げていらっしゃる
特許第3427063号(座標ウェイポイントで〜)の参考文献に
出てくる特開平11-338870の出願番号が特願平10-143922になります。

出願番号が特願平10-143922
これは特許出願したときの受付番号です。(特願平=平成に特許出願)

特開平11-338870
こちらが公開(=公報に掲載)されたときの番号です。んーややこしい!

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【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】特開平11−338870
【公開日】平成11年(1999)12月10日
【発明の名称】情報配信システム

これを参考文献にしていると思われます。説明間違ってたらすみません。

投稿者 Az : 2005年08月08日 10:17

特許取るのはいいことだけど、使ってもらって何ぼの特許。取るだけ取って、「さぁ払え、払わないと使わせないぞ、価格の合理性なんか知らないからな」というんじゃ、せっかくの特許もなんの意味もないよ。ようやく、イマドコサーチが流行しない、利用料が高いという理由がわかりました。感謝感謝。携帯位置情報サービスは、普及までまだまだだね〜。

投稿者 特許庁長官 : 2007年03月08日 15:02

>> 特許庁長官 さん
位置情報系サービスは、今年が元年になりそうな気がします。来年には、楽しい状態になってると良いですね :)

投稿者 ceekz : 2007年03月10日 18:12