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2006年07月14日
ニッポンの暴言
衝動買いに近い買い物をした1冊。たまに新刊コーナーをまわると面白いのが並んでいて良いね。
ニッポンは大丈夫か!?暴言・失言・放言で知る異色の政治史
出版社は三才ブックスでした。データハウスと並んで面白い(危ない?)書籍を良く出している気がします。
政治家の暴言というのは、政治家の本音が出ているのはもちろんのこと、その時代を反映するものであって非常に面白い。国会が暴言で紛糾するというのは、私たちがいかに言葉を重要視しているのかがわかる。
僕は、たとえ暴言であっても取り下げるべきではないと思っている。また、国会などの議事録から削除するべきでもないと思っている。言葉は簡単に取り消せるほど軽いものでは無いはずである。取り下げと謝罪・釈明とは、大きな隔たりがあると思うのだ。なぜ、取り下げさせようとする方が多いのだろうか。取り下げるということは、無かったことになるんだよ?
ということで、これまでの70以上の暴言などが収録されています。著者は、その暴言に対して解説や感想を加えるという感じ。本音が垣間見える言葉が並んでいるのは面白い。
著者が感想を加えているのは、要らないかも。言葉の解釈は人それぞれなので、どちらかというと前後や時代背景の解説に力を入れて欲しかった。記者出身みたいなのでなおさらそう思う。
取り上げられている暴言を見ていたのだけど、どうも「選民思想」に基づく発言が多いような気がする。短期間で経済大国となった日本を誇っているような気もするのだけど、ちょっと曲がっているかな。当然ながら、政治家は偉いというエリート思想に基づくのも多い。
立場的に暴言となる言葉も多いと思う。一般人なら暴言じゃないけど、議員になれば暴言となるものもあれば、議員なら暴言じゃないけど、大臣なら暴言となるような言葉。
いやー。面白い。政治家に憤慨するとかどうとかというのではなく、良くも悪くも人間臭さを感じるというかなんというか。以前の自分なら間違いなく憤慨していたと思うのだけど、最近は笑える余裕がある。
突っ込みどころは、著者の感想のほうが多いので、暴言を楽しみながら、突っ込みも入れるという一石二鳥的な書籍です。読みやすいので1時間ちょっとで読み終わるんじゃないかな。
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2006年07月14日 04:23 | Books
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コメント
わたくしも所見を書いてみました。ちょっとダブってしまって申し訳ありません。御拝読くださいませ。↓
凄い。哀しすぎて涙が出る。
世の中(悪気の有無にかかわらず)口が悪い人間ならいくらでもいるが、これらが国を動かす者たちの発言であり、さらにほとんど誰も謝らないというあさましい事実。
「暴言」とはいいつつも彼らの政治家としての本音がつい出てしまったものも数多くあり、人間臭さを感じる反面、なんて穢いのだろうと心底呆れる。
特に女性に関する言い方は、同じ女性としてとても許せるレベルではない。
言葉とはほんとうに大切なもの。ひとは酷い言葉を浴びせられると平静ではいられない。
私は政治に詳しくはないが、彼らには二度と人を傷つけることのないよう、まずは人間として、政治家らしい発言をしてほしいと切に願う。
…が、著者を知る私が思うところ、著者自身の暴言も同等に大したものであり、逆に本にできるのではないかと思ったりする(笑)
(所詮、読者には無駄な情報だが。)
投稿者 赤ずきんのみそぢ女 : 2008年03月14日 13:56