2009年01月21日
会議の技法―チームワークがひらく発想の新次元
面白そうだったので BOOKOFF に流れる前に買い取った一冊。
私たちの忙しさの一因は会議の多さにある。多いばかりか、費やす時間も増えている。「会議社会」に生きる現代人にとって、会議の意味と役割は重くなる一方である。しかし、効率的・効果的な会議のもち方を知らないために、膨大な経済的・社会的ムダが生じているのが現状だろう。本書は、企業の戦略会議から地域交流まで、あらゆる場面で役に立つ斬新なアイディアをちりばめながら、チームパワーを最大限に引き出す会議の方法を伝授する。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
『技法』を謳うだけあり、会議全体を良くするための手法を解いている。しかし、少しの手間で少し改善するというライフハック的な要素は少ない。その為、対象読者を選ぶだろう。学生が読んで、何かに役立てるというのは難しいと思う。
僕は、会議には1つだけルールを持って参加するようにしている。そのルールとは、必ず1度は発言すること、である。逆に言うと、発言しないような会議には参加しないし、参加しない方が良いと思っている。会議を『コミュニケーションツール』として利用するのは、あまり好きではない。
会議のやり方については、こちらの方がお勧めかな。本書よりも読みやすいと思う。
本書は、会議の技法を解説している。技法というよりは、哲学に近いかもしれない。ワンポイントアドバイスの類はないため、読者を選ぶ。対象読者は、これから会議を運営する立場になる人(起業家、大学教員)であろう。
ページ数: 235
読書時間: 2:06 (1.87 p/min)
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2008年12月31日
わかりやすく話す!技術―この話し方で「言いたいこと」がきちんと伝わる!
学園祭実行委員の時に購入したと思う。
要点の簡潔なまとめ方から論理的に説明する方法、会話をはずませるテクニックまで、話し方の基本がしっかり身につく本。この話し方で「言いたいこと」がきちんと伝わる!
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
表紙の雰囲気から感じる通り、特別な事は書かれていない。最近は、心理学のような権威をベースにした会話術を解説する書籍が多いと思うが、本書は、会話の基礎とも言えそうな王道を突っ走っている。
表現を軟らかくするための枕詞が解説されているなど、そのままでも使えそうな内容が多々含まれている。ただ、王道も良いところなので、権威を求めている人には詰まらないだろうし、多くの人は、既に身につけているであろう内容が多い。
会話と切っても切り離せない、交渉・印象の書籍を関連書籍として。
本書は、基礎的な会話術が解説されている。普段、普通に会話できているのであれば、わざわざ読むような内容であるとは思えない。会話に苦手意識がある方は、一読してみても良いのでは。
ページ数: 215
読書時間: 1:17 (2.79 p/min)
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2008年12月29日
鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ
情報考学で紹介されており購入。
忙しいキーパーソン達に出す企画書は、短く、具体的に「1枚」にまとめるのが鉄則! 丁寧な企画書は「後で読もう」と脇に置かれてしまう。企画書の練り方、書き方、持ち込み方を、実践に即して解説する。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
企画書は丁寧に書けば書くほど良いと思われがちであるが、多くの意志決定を行う必要がある大物(社長など)は、丁寧に読むほどの時間がない。まずは、企画の存在を知って貰うために1枚の企画書を準備しよう、というのが本書の主旨。
本書の大きな特徴は、実際に利用された企画書が収められているところにある。日本語に訳されてしまっているが、雰囲気は掴めるだろう。日本語と英語の文化が違うため、原文(英語)も収められていればなお良かったと思う。
誤解してはならないのは、どんな場合でも1枚の企画書で突破できるという意味ではない。どちらかというと、詳細な企画書を読んで貰うための企画書を1枚で準備するというイメージである。また、自分のやりたい事を実現するための企画書を書く場合であって、取引企業から求められるような企画書とは、少々性格が異なると思う。
企画書はゴーサインをもらうためのモノという主張を行っている書籍を関連書籍として。表現の仕方は別であるが、根っこは同じ。
普通の社会人向けの書籍では無いと思うが、ベンチャー企業設立など、自身の夢を自分の手で叶えようと考えている方にお勧め。夢を叶えるためには、人を動かさねばならない事があるはず。
ページ数: 143
読書時間: 1:26 (1.66 p/min)
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理科系の作文技術
卒業論文を執筆する参考になるかと思い購入。研究室にも置いてある。
物理学者で、独自の発想で知られるロゲルギスト同人の著者が、理科系の研究者・技術者・学生のために、論文・レポート・説明書・仕事の手紙の書き方、学会講演のコツを具体的にコーチする。盛りこむべき内容をどう取捨し、それをどう組み立てるかが勝負だ、と著者は説く。文のうまさに主眼をおいた従来の文章読本とは一線を劃し、ひたすら明快・簡潔な表現を追求したこの本は、文化系の人たちにも新鮮な刺激を与えるにちがいない。
表紙裏に書かれた紹介文より。
卒業論文を執筆する前に目を通しておこうと思い、一気に読んだ。著者が物理学者と言う事もあり、例示される文が物理学に関するもので、少々読みづらかった(教養が足らないからか)。初版は25年以上前であるが、現在でも殆ど色あせていない内容であると思う。
卒業研究の中間報告は、本書を読む前に書いたのだが、構成に関して段落(パラグラフ)の作り方を再考するべきであると、指導教員よりアドバイスを頂いた。
パラグラフは,上の例にみられるように内容的に連結されたいくつかの文の集まりで*,全体として,ある一つのトピック(小主題)についてある一つの事(考え)を言う(記述する,明言する,主張する)ものである.
段落を作る際は、その段落で何を言いたいのかが明確になればよい。ブログを書く場合は、ディスプレイで読みやすいかどうかを優先して段落を作るので、必ずしも“良い”段落が作られているとは限らない。紙で提示するのかディスプレイで提示するのかで、違いを意識する方が良いと考えている(なかなか出来ないのだが…)。
本書の中にも発表に関する記述があるが、スライドや OHP シートを基準にしているため、少々内容が古い。関連書籍として、プレゼンテーションに関する書籍を挙げる。
文章の書き方から発表まで一通り抑えられており、論文を書く者であれば一読しておきたい。卒業論文を控える学生であるならなおさらお勧め。
ページ数: 244
読書時間: 3:54 (1.03 p/min)
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・理系のための プレゼンのアイディア (2007年11月10日)
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・理系のための プレゼンのアイディア (平林 純)
2008年12月22日
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2009年01月号
定期購読している、唯一の雑誌。
前号同様、表紙の材質が異なっています。価格も上がっているので、恒久的な変更かな。
今号で面白かったのは、金融危機真っ直中に存在するゴールドマン・サックス陰謀論と、映画界の裏側(?)の特集でした。
もし、すべてがゴールドマン・サックスの“陰謀”だったなら…
金融危機によりウォール街が崩壊しかけている今日、アメリカでは危機を乗り越えるために、様々な対策が実施されています。対策にあたり、立案者や実施者が必要になりますが、彼らの大半がゴールドマン・サックス出身者である事に、一部では“陰謀”を疑っているらしい…。
現在の施策が、今後どのような形で実を結ぶか、非常に注目しています。
くたばれ!?ハリウッド
映画と言えば“ハリウッド”ですが、そのシステムに疑問を投げかける人は多数居ます。今回の特集では、アンチ・ハリウッドとして知られるミヒャエス・ハネケ監督など、反ハリウッド派に光が当てられています。
他には、宗教特集や2008年の発明品BEST50など。
ページ数: 146
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・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2009年01月号
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) (定期購読)
ブログがジャーナリズムを変える
当時はどのような未来を見ていたのかを振り返るために。
不特定多数の市民が情報を集め、議論することにより「真実」が醸成させる現代。マスコミの再生のカギは「参加型ジャーナリズム」にある! 現役記者がジャーナリズムの未来を大胆予想。ブログの今後の可能性を解き明かす。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
タイトルの通り、ブログがマスコミ・ジャーナリズムを変えると言われていた。僕が運営する CEEK.JP NEWS もそれを見越しての運営であった(Google News 日本語版より先に始めたよ!)。既存のマスメディアの報道にコメントを付けるブログが急増するであろう、再配信サイト(Yahoo!JAPAN などのポータルサイト)よりもオリジナルの記事にリンクするであろう、と読んでいた。
が、現状はどうだろう。ブログはジャーナリズムを変えたか?僕は、日本においては、ネットがジャーナリズムを変えつつあるが、ブログがジャーナリズムを変えたとは思っていない。ただ、本書は「ブログが」というより「ネットが」という方が内容に合致しており、タイトルをキャッチーにし過ぎている感がある。
著者の湯川氏は、現役の時事通信編集員であり、そういう意味で貴重な書籍だと思う。内容がイマイチまとまっていないような印象がするのは、その通り、まさにいま変化しようとしている裏返しだからだろうか。
数年後に読み返せば、また違う受け取り方が出来そう。それまで本棚で寝かしておこう。
放送と通信の融合を唱えていたが表舞台から去った者と、4半世紀前から新聞は変わらねばならないと主張していた者を関連書籍として。
古書のようなつもりで読むと良いが、新書のつもりで読むとガッカリするかも(今読むと特に)。数年寝かすと良い味になる事を期待したい。
ページ数: 285
読書時間: 2:56 (1.62 p/min)
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・BOOKOFF で2冊購入 (2008年11月15日)
・ヒルズ黙示録 - 検証・ライブドア (2006年07月11日)
・新聞記者 疋田桂一郎とその仕事 (2008年09月15日)
【関連商品】
・ブログがジャーナリズムを変える (湯川 鶴章)
・ヒルズ黙示録―検証・ライブドア (大鹿 靖明)
・新聞記者 疋田桂一郎とその仕事 (柴田 鉄治, 外岡 秀俊)
2008年11月24日
情報検索とエージェント
5年ほど前に購入した書籍。何度か読んでいましたが、やっと全部読み通した。
インターネット時代に生じる様々な課題とそれらに対する知識処理の適用についての解説書。現在における本質的な課題、人工知能をはじめとする知的処理の取り組み、今後のインターネットの方向性についてわかりやすく解説する。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
2002年に出版された書籍と言うこともあり、内容が古い。ウェブサービスに関する話は殆ど無く、既存の研究を WWW に適用する試みが解説されており、大本の研究題材を知るのには良いかも。
擁護に関しては、比較的丁寧に解説されているので、論文(日英問わず)をサーベイする前に目を通しておくと、効率良く調べられそう。
なお,XMLはWeb上の構造化文書フォーマット以外に,構造データの表現に利用できる半構造データ(semi-structured data)でもあるということに注意したい.
輪講のときに semi-structured data という単語が出てきて、上手い説明方法が無いな…と考えていたときに、助かった。勉強不足というのもあるけど :(
関連書籍は、Webマイニングの研究について書かれた書籍を。
内容が古いこともあり、お勧めしがたいところ。5年前であれば進めたと思う。現在であれば、情報処理学会、人工知能学会の学会誌を過去数年分眺める方が有益だと思う。
ページ数: 131
読書時間: 1:22 (1.60 p/min)
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・Webマイニング (2008年08月04日)
【関連商品】
・情報検索とエージェント (河野 浩之, 北村 泰彦, 山田 誠二, 高橋 克巳)
・Webマイニング (武田 善行, 梅村 恭司, 藤井 敦)
2008年11月23日
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年12月号
定期購読している、唯一の雑誌。
Amazon.co.jp の書影データでは、少々黄ばんで見えますが、実際は、真っ白の表紙でした。材質も通常と異なるようです。
今号で最も面白かったのは、現在真っ直中の世界金融危機のお話。
アメリカの時代は終わるのか-「金融危機」後の世界
従来、世界金融はアメリカ中心で回っていましたが、今回の金融危機で、アメリカの影響力が弱くなる可能性があります。金融危機が去った後の世界に関し、どのようになるのか予想した記事が沢山取り上げられていました。
金融危機後の世界に捧げる人生論(サンデー・タイムズ・マガジン, UK)の中で、タレブの人生アドバイスは、簡素ながら素晴らしいものでした。特に肝に銘じたいと思った1本を。
電子メールの返信は、目上の人よりも目下の人から行う。目下の人のほうがこれから偉くなる可能性を持っており、自分を無視した人のことを末永く記憶する可能性も高いからだ。
相手の立場を見ず、公平に扱うことを心がけていたけど、ずる賢く(?)名言するとこのような感じになるだろうか。まぁ。この場合の目下というのは、会社などの立場を言ってる気もするけど。
他には、北朝鮮の特集やワインの特集など。
金融関係の書籍を関連書籍として取り上げようと思ったのですが、これくらいしか見つからず…。関係ないような気もする。
ページ数: 147
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・マネーロンダリング - 汚れたお金がキレイになるカラクリ (2006年11月03日)
【関連商品】
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年12月号
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) (定期購読)
・マネーロンダリング―汚れたお金がキレイになるカラクリ (門倉 貴史)
創造の方法学
はてな村でいつも通り議論が発生していて、議論に参加する前にこれくらいは読んでおけ…と書かれていたので購入した気がする(別に議論に参加するつもりはないが)。
アメリカの幼稚園では、絵にしろ工作にしろ、両親や先生が、手本を示してはいけないことになっている。模倣を排し、個性を尊び、新しい表現と、知識の創造を目ざす風土と伝統なのであろう。西欧文化の輸入に頼り、「いかに知るか」ではなく、「何を知るか」だけが重んじられてきた日本では、問題解決のための論理はいつも背後に退けられてきた。本書は、「なぜ」という問いかけから始まり、仮説を経験的事実の裏づけで、いかに検証していくかの道筋を提示していく。情報洪水のなかで、知的創造はいかにしたら可能なのだろうか。著者みずからの体験をとおして語る画期的な理論構築法が誕生した。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
この書籍は、読者によって大きく感想が異なるであろう。社会科学の分野にいるものからすれば、感心することが書かれていると感じるかもしれないが、自然科学の分野にいるものからすれば、何をいまさら…と感じる気がする。
創造の方法学というタイトルであるが、その方法論の具体例は、社会調査に関するものである。その調査方法は、数量的調査であり、媒介変数を意識するなど、自然科学分野ではほぼ当然の方法と言って差し支えがないだろう。当時を基準にすれば珍しいものであっただろうし、別の調査方法に関する解説もあるため(少しだが)、社会調査の歴史を知りたいのであれば丁度良いと思う。
卒業研究に着手している現在、最も心に響いた文は、以下であった。
実験的方法を重んじる限り、研究が「記述」で終わることはあり得ないので、「記述」と「説明」との区別はあまりにも当然のことであったのであろう。
記述とは、事実を正確に記録する研究方法であり、説明とは、何故という疑問を発し、その原因と結果を論理的に結びつける研究方法である。実験によって示された結果は、それ単独では記述に過ぎず、説明ではない。
あまりにも当然であろうが、僕はその視点を見失っており、再確認した。それだけで
も、本書を読んだ価値は大いにあった。
考え方の参考になりそうな書籍を関連書籍として。
古い書籍と言うこともあり、具体例に目新しさを感じることが少ないかもしれない。しかし、筆者の経験談は面白いし、僕にとっては読む価値が大いにあった。
ページ数: 198
読書時間: 2:28 (1.34 p/min)
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・知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (2007年12月10日)
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・創造の方法学 (高根 正昭)
・知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (苅谷 剛彦)
2008年11月03日
何故あの会社はメディアで紹介されるのか?―PR最強集団のTOPが教える55の法則
IDEA*IDEA で紹介されているのを見て、購入。プレゼント企画に応募すれば良かった…。
同業界で同じ位の売上げ規模の会社であっても、メディアに頻繁に紹介される会社とそうでない会社がある。その差はどこからきているのか? 新進PR会社のTOPが、メディアにのるコツを教える。
本書では、PR最前線を55の法則に集約し、ケーススタディを紹介しながら、PRに初めて取り組む人にもわかりやすく解説。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
宣伝は、テレビや新聞に広告を出すような活動が中心(情報を自社でコントロールできる)であり、広報はメディア(第三者)に対し自社の活動内容を知らしめる活動が中心(情報を自社でコントロールできない)であるというイメージがある。そして、それらを合わせた概念が PR(Public Relations) であると思う。いかがだろうか?
現在、宣伝と広報の違いはほぼ無くなってきているように思う。そう、融合された概念である PR に一本化してきているのではないか。本書には、宣伝のためにメディアを利用するコツが書かれている。
自分の経験を基にすれば、2004年筑波大学学園祭実行委員会の広報責任者を務めており、その時に考えていたことが書かれていたり、その時に知っていれば嬉しかったことが多々書かれていた。PR は、十分な宣伝予算がない組織の大きな武器になるのではないかと思う。
テレビ以外の宣伝方法を考える書籍と、政府の広報戦略を考える書籍を参考書籍として。
PR ケーススタディ 100 が付録されているなど、今すぐにでも役に立ちそうな内容が満載。十分な宣伝予算が付かない組織の担当者の方はもちろん、組織に属する方なら職種問わずお勧めする。
ページ数: 245
読書時間: 1:33 (2.63 p/min)
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・テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0 (Joseph Jaffe)
・プロフェッショナル広報戦略 (世耕 弘成)
2008年10月26日
失敗は予測できる
404 Blog Not Found で紹介されていて面白そうだったので購入。
人間、生きている限り、自分の周りに失敗はツキモノである。失敗は、多くの人が命を落とす大事故に至る失敗から、たとえば酩酊して財布を落とす失敗、入社試験に落ちるような日常的な失敗まで、挙げればキリがない。
しかし、ある失敗は別の場所で起きた失敗と何らかの類似性がある。本書は、過去に起きた豊富な失敗例を挙げながら、類似性に気づきさえすれば失敗は予測できることを示す。また、失敗を予測するだけでなく、失敗を回避する方法、もし失敗してしまったときの対処法なども考える。
さらに、昨今の日本社会の急激な変化に伴い、今まであまり公にされることがなかった、企画・開発時に起きる「隠れた失敗」にも目を向ける。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
失敗を科学する学問を失敗学と呼ぶらしい。本書は、その実践書である。ある失敗には、過去の失敗例と類似性があり、過去から学ぶことで失敗の可能性を下げることが出来るようだ。詰まるところ、物事の本質を見抜く能力が求められる。
本質を見抜くためには、様々な視点が必要である。本書では、現在までの有名な失敗を例に、失敗の要因、すなわち物事の本質を挙げ、教訓を示している。本質を見抜くのは結構難しく、実例から学ぶのがよいと思う。
僕は、失敗を避けるためだけに使うのは勿体ないと思っている。失敗をしないことは、すなわち成功の可能性を挙げることになるが、成功の本質を見抜く目を養うことも出来ると思う。
現在までの経営の失敗を解説した書籍と、アイデアを出すために本質が必要なのではないか…という視点で。
本書がビジネスに直ぐ役に立つと言うことは無いと思う。なぜなら、本書で学ぶことが出来るであろう“能力”は直ぐに身につくものでは無いからだ。しかし、この“能力”は様々な事に応用できるはずである。
ページ数: 222
読書時間: 2:47 (1.33 p/min)
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・考えないヒント - アイデアはこうして生まれる (小山 薫堂)
2008年10月24日
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年11月号
定期購読している、唯一の雑誌。
今号で最も面白かったのは、去り行くブッシュ大統領のお話。
任期残りわずかの「寂しい日々」 さよなら、ブッシュ
現在、米国は大統領選挙の真っ只中なのですが、現大統領のブッシュ大統領の近状を書いたニューヨーク・タイムズ・マガジンの記事です。6ページにわたり、彼は何を思って任期を終えようとしているのかを考察しています。史上で最も不人気な大統領と呼ばれているが、それで思考停止してよいのか…と。日本では、米国の外政ばかりが目立つのですが(当たり前だけど)、内政についても書かれており、良記事でした。
宮沢和史 責任編集 新世紀ブラジル ―無限の可能性を秘めた国
今号の大特集です。ブラジルは、日本では余り関心をもたれないのですが、今年は、日本からのブラジル移住が始まって丁度100周年を迎えるようです。この特集では、日本とブラジルの関係、ブラジルで活躍する日系人、ブラジルの実態など幅広く取り上げられていました。
ブッシュ大統領に関連して、米国に向けられている世界の目。
ページ数: 138
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・世界反米ジョーク集 (2008年05月05日)
【関連商品】
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年11月号
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) (定期購読)
・世界反米ジョーク集 (早坂 隆)
2008年10月23日
受託開発の極意―変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法
受託開発を楽しくできれば…と。小規模だけどね。
本書は、受託開発を行っているすべての人へ向けて、受託開発の極意をまとめました。客さまとの接し方から、見積り→要件定義→設計・実装・テスト→運用といった工程ごとの手ほどき、そして自分や仲間、組織の変え方までを説明していきます。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
この類の書籍は、主にプロジェクトマネージャなどプロジェクトを統括する立場にある人に向けた場合が多いと思う。本書は、そのようなプロジェクトマネージャにも有用であるし、実際にコーディングを行うプログラマにも有用だと思う。プログラマにプロジェクトマネージャの視点を持たせるのに最適だろう。
主に中小規模の業務系システムを念頭においており、組み込み分野や大型汎用機を使ったシステム開発に関しては言及していないことをお断りしておきます。
あとがきに書かれている通り、中小規模の受託開発に関することが書かれている。中小規模向けの類書は、案外少ないと感じている。また、コンパクトにまとまっており忙しい人にも勧めやすいところが良いと思う。良い内容が書かれている書籍でも、読ませることが出来ないのであれば、何も始まらないからだ。
少々具体例が少ないので、好みは別れそう。コンパクトにまとまったマニュアルという感じ。
より具体例を挙げている2冊を関連書籍として。
極意というほどテクニックが載っているわけではないが、心得は載っている。極意には、奥義以外にも核心という意味もこめられているため、間違いではない。プロジェクトマネージャを理解したいプログラマにお勧め。
ページ数: 191
読書時間: 1:36 (1.99 p/min)
【関連記事】
・4ヶ月ぶりに Amazon.co.jp で注文 (2008年08月29日)
・ピープルウエア 第2版 - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵 (2008年02月13日)
・Joel on Software (2007年05月12日)
【関連商品】
・受託開発の極意―変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法 (岡島 幸男)
・ピープルウエア 第2版 - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵 (トム・デマルコ)
・Joel on Software (Joel Spolsky)
【関連情報】
・TECH-moratorium : テクモラトリアム
http://d.hatena.ne.jp/HappymanOkajima/
2008年10月19日
科学者は妄想する
購入日は不明…。何処で購入したのだろうか。
温暖化は地球を動かせば解消!神を観られる人々の秘密…!死者との交信に没頭したエジソン!日本テレビ系の人気番組『特命リサーチ200X』の元スタッフが、怪しい?科学に魅せられた科学者たちの大真面目な新説・珍説を紹介。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
“特命リサーチ200X”は胡散臭さもあり、非常に楽しみにしながら視聴していた番組であった(ファー・イースト・リサーチ株式会社で登記しようと思ったくらい)。その番組スタッフが番組では使われなかったネタをメルマガで紹介しており、メルマガの内容をまとめたのが本書である。
興味深い研究が多々あるのだが、文献の紹介が甘く勿体ない…。出典が「BBC」など大ざっぱすぎるのである。論文のタイトルや発表年号、発表雑誌を記載して欲しかった。その為、似非科学の類の可能性もあり、ここで紹介するのが難しい。
英語の原文がもとになっているだけに、話の信憑性と、正確度にはとくに気を使った。紹介する博士が、架空の人物だったなどというのでは、笑い話にもならないからである。
著者も気を使っているようではあるので、もう少し踏み込んで欲しかった。この辺は、編集者(担当者)の仕事でもあると思うが…。
読み物としては、非常に面白かった。科学を取り扱う書籍としては、少々物足りなかったが。最近、卒業研究で英語論文を多々読むようになってきたので、なおさらそう感じるのかもしれない。
ページ数: 238
読書時間: 1:50 (2.16 p/min)
【関連商品】
・科学者は妄想する (久我 羅内)
【関連情報】
・奇天烈科学の世界
http://homepage3.nifty.com/kite-tonde/
2008年10月16日
ちょいデキ!
ゆーすけべー日記で紹介されており、さらに 404 Blog Not Found で大絶賛でしたので。
北斗神拳のごとき達人仕事術より、誰でもできる太極拳的仕事術を――。面接の受け方、話し方、読書の方法など、少しの工夫で、ちょっとデキるビジネスパーソンになれる方法を伝授します。
表紙裏に書かれた紹介文より。
巷に溢れる仕事術の本を読んだことあるだろうか。また、その内容を実践できる人はどれだけいるだろうか。という反動が、本書だと思う。難しい事はせず、少しだけで“デキる”仕事人になりましょうと。
少しだけ出来るようになるというよりは、それ以上無理しなくても良いよ…と慰めてくれるような本だと思う。書かれている内容は、上を見てばかりだとつらいよ、横を見るとこんな方法もあるよ、と教えてくれる。話せないなら質問しようね、とか。
若いビジネスパーソンに勧める五冊
著者が二十代で出会っておきたかった書籍を紹介している。メモ的に。
・部下の哲学―成功するビジネスマン20の要諦 (江口 克彦)
・成功の法則―松下幸之助はなぜ成功したのか (江口 克彦)
・論理アタマのつくり方―思考回路をクリアにする (小西 卓三)
・コトラーのマーケティング入門 (フィリップ コトラー, ゲイリー アームストロング)
・ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 (ジェームズ・C. コリンズ)
続きは本書で!
関連書籍は、完全な失敗の難しさについて。上を見る前に下を見てもよいのでは?
本書の仕事術は誰にでも出来そうなことであり、他の仕事術に挫折してしまった方にお勧め。また、上を見ることに疲れてしまった方にもお勧めする。
ページ数: 234
読書時間: 2:01 (1.93 p/min)
【関連記事】
・久しぶりに BOOKOFF に行ったら… (2008年01月22日)
・人生を完全にダメにするための11のレッスン (2007年12月01日)
【関連商品】
・ちょいデキ! (青野 慶久)
・人生を完全にダメにするための11のレッスン (ドミニク ノゲーズ)
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか
梅田氏の著書ということで、購入。
現代は、江戸から明治に匹敵する「時代の大きな変わり目」だ。ウェブという「学習の高速道路」によって、どんな職業の可能性がひらかれたのか。食べていけるだけのお金を稼ぎつつ、「好き」を貫いて知的に生きることは可能なのか。この混沌として面白い時代に、少しでも「見晴らしのいい場所」に立ち、より多くの自由を手にするために――。オプティミズムに貫かれ、リアリズムに裏打ちされた、待望の仕事論・人生論。『ウェブ進化論』完結篇。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
読み終えてから結構な時間が経ってしまった。時間が経ってから振り返ってみると、本書の内容を余り覚えていない事に気が付いた。何故だろう。僕が“ウェブ時代”を生きているからだろうか…。
ウェブ進化論では、未来のことが書かれていた。本書では、その未来の行き方(生き方)を書いていたように思う。梅田氏が今まで見たこと、実際に経験したことを基に書かれているのだが、少しとっつき難い。生き方という観点からすれば、ミクロ視点であるし、梅田氏の経験という観点からすれば、マクロ視点だと感じた。バランスを取っていると言えばその通りかもしれないが、少々残念な気もした。
ただ、実家の両親に読ませたいな…と読んでる最中に感じていた。僕の“生きている世界”は両親の世界から余りにも遠いものであるし、同時に理解してもらいたいと思うのである。
自分自身は、本書に満足したわけでは無い。何が不満かと問われると答えにくいんだけれども、何かが引っかかる。時間が経ったら、また読み返してみようと思う。
関連書籍は、梅田氏の著書を2冊。出版から既に2年が経っているが、まだ色あせていないと思う。
ウェブ時代を生きている人には物足りないかも。ただ、古い世代の方にはお勧めしたいと思う。
ページ数: 244
読書時間: 2:03 (1.98 p/min)
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・シリコンバレー精神 - グーグルを生むビジネス風土 (2007年03月07日)
・ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (2006年03月23日)
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・ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (梅田 望夫)
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2008年09月16日
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年10月号
定期購読している、唯一の雑誌。届いて直ぐに読んだ。
特集は3本(表紙記載のもの)。
“慈善”活動の裏側 セレブは地球を救えるか?
24時間テレビのような副題が付いていますが、面白い特集でした。特に、資金集めに中間業者が入る募金ビジネスの実体や、エイズ寺の話が興味深い。慈善活動というものは、少し距離を置くと胡散臭く見える不思議さがあります。これは、人間は欲深いはずだ、という疑いを持っているからかもしれません。
9・11から7年 世界のテロリズム最前線
アルカイダへの潜入記事を含む特集。反体制派(反米派)に潜入する記事は、国内の媒体では余り読めないですね。アルカイダの“成功”は、トップであるビンラディンが権力欲を持っていないという事を挙げつつも、暴力的行動が前面に出ているが故、自身の本当の目的を達成できないでいるという指摘。
「紙の世界」から逃げ出すジャーナリストたち 米国メディア戦争の裏舞台
インターネットの普及に伴い、紙媒体はお寒い状態となりつつあります。米国の新聞社は、旧体制からインターネットを歓迎する新体制に変わりつつありますが、その狭間で悩むジャーナリストに光を当てた特集です。日本では、メディアの再編が進まないのですが、再編する必要は無いということなのでしょうか。
慈善事業に関する関連書籍として。主義主張が先行する故、本当に必要なところに助けが届かないという指摘。
ページ数: 138
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・「慰安婦」問題とは何だったのか―メディア・NGO・政府の功罪 (2007年12月15日)
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・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年10月号
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) (定期購読)
・「慰安婦」問題とは何だったのか―メディア・NGO・政府の功罪 (大沼 保昭)
2008年09月15日
新聞記者 疋田桂一郎とその仕事
書店で見かけて面白そうだったのだが、後ほど Amazon.co.jp で購入。手持ちがなかった…。
1950年代から社会部記者として活躍し、数々の「名記事」「話題の記事」を世に問い、天声人語を担当もした一人の新聞記者。その名を不朽のものとしたのは、ある事件記事の徹底的検証だった。その全文をはじめ、歴史的事件記事を通じて、ひとりの新聞記者の仕事の足跡をたどる。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
副題からは想像できなかったのだが、本書は、朝日新聞の名物記者であった疋田桂一郎が書いた記事を淡々と再掲載している。論評もなければ、時代背景や事件背景の解説もない。当時の記事が淡々と…。
ある事件記者の間違い
書店で見かけ、面白そうだと思ったのは、この記事を見たからだ。第三章(新聞のあり方を問う)の記事であり、朝日新聞の社内報(『えんぴつ』153号、1976年9月25日)に掲載された記事の再録である(厳密には『調研室報』の再々録)。
ある事件とは、昭和50年5月に起こった“殺人事件”である。
東京の、とある銀行の支店長が、殺人犯として警察に逮捕された。支店長の家に重い心身障害のある幼女がいて、その子を「餓死させた」という容疑だった。
彼は銀行を辞め、起訴後、釈放になって自宅から公判廷に通っていた。逮捕から九ヶ月後、七回目の公判で懲役三年、執行猶予五年の判決をうける。ところが、判決を聞いたあと、彼は裁判所から自宅に戻って来なかった。その日の夕方、小田原の無人踏切で電車に飛び込んで自殺をとげていたのだ。
彼はなぜ死ぬことになったのだろうか。彼の妻の談話によれば、1ヶ月後に釈放され自宅に帰ってみたら、“事実”とは全く異なる報道が行われており、生きる力をなくしてしまったという。そう、報道が彼を殺してしまったのだ。
疋田氏は、事件調書などから、なぜ“真実”と異なる報道が行われたか、また、どうすれば彼を救うことが出来るかを説いていく。詳細は、是非、本書を手にとって読んで欲しい。
最近、新聞の信頼性というものが非常に落ちてきてしまっているような気がする。疋田氏は、30年以上も前に提言を行っているが、改善されていないように思う。
氏によれば、戦前は「記事審査」と呼ばれる、今日では「訂正」に相当する調査・報告が行われていたらしい(事前審査ではない)。記事には誤りがあることを前提に、読者が誤りを見つけたならば、遠慮せずに報告をして欲しい、報告があれば速やかに調査し、紙面で発表するという趣旨であったようだ(月次報告も行っている)。自社の記事を信じる余り(取材法の発達により記事そのものの信頼性は上がっていると思う)、独りよがりになってしまったのだろうか。
丁度良い関連書籍があった。最近の問題点を挙げているが、両方読めば、昔から続いていると言うことが解るだろう。
ネットでは余り注目されていないが(技術系記事ばかり読んでいるから気付かなかっただけか)、かなり良本だと思う。新聞の信頼性に疑問を持っている方、美しい記事を読みたい方は、是非手にとって欲しいと思う。
ページ数: 293
読書時間: 3:59 (1.23 p/min)
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・「朝日」ともあろうものが。 (2005年12月11日)
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・「朝日」ともあろうものが。 (烏賀陽 弘道)
2008年08月30日
実録 SEの履歴書
旬を逃したが、最寄りの BOOKOFF で見かけたので購入。
現在第一線で活躍するSEたちが、自らのSE人生を振り返るインタビュー集。達人SEたちの仕事に対する信条とは何か?そして彼らは仕事上の転機にどう振る舞い、人生を切り開いていったのか?彼らの生の言葉は、ともすれば働く意義を見失いがちな多くのSEたちに、今の自分を変えるためのヒントを与えることだろう。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
第一線で活躍する SE の職務経歴を紹介した一冊。社長ではなく、現場で働く SE に光を当てているのが面白い。以下の方々のインタビューが収められている。
山下 達雄さん 鵜飼 文敏さん 石井 達夫さん 原田 洋子さん 伊藤 直也さん 工藤 智行さん 山下 英美さん 稲葉 香理さん 平林 俊一さん
非常に前向きに語られているのだが、裏には多くの(普通の人から見れば)苦難があったのではないかと思う。苦難を感じさせない前向きさ、楽に超える信条があってこそ、第一線の SE として活躍できるのかな、と思う。また、彼らは、必ずしも“独立”という選択肢を選択しない。独立しなくても自己実現できる現場はあり、自身の信念次第ではその現場にたどり着ける。当たり前のようだが、僕には抜けかけていた視点である。
起業家に光を当てた一冊を関連書籍として。
大学3年生の方(これから就職活動を始める方)にお勧め。「(笑)」がストレスになるかどうかでイメージが変わりそう(文中に多々出てくる)。
ページ数: 188
読書時間: 1:10 (2.69 p/min)
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・BOOKOFF で2冊購入 (2008年07月12日)
・起業家2.0―次世代ベンチャー9組の物語 (2008年02月11日)
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・実録 SEの履歴書
・起業家2.0—次世代ベンチャー9組の物語 (佐々木 俊尚)
フューチャリスト宣言
梅田氏の著書コンプリート計画の一環。
インターネットによってすべての人に学ぶ可能性がひらかれ、ブ ログが名刺になり、ネットでの評判がパワーとなる。過去に何を成したかではなく、いま何ができるかだけが勝負の「新しい世界」の到来。日本社会との齟齬はないのか?談合型エスタブリッシュメント社会をぶち壊し、新世界の側・ネットの側に賭けよう。未来創造の意志をもって疾走しよう。フューチャリストの二人が、ウェブのインパクトと無限の可能性を語り倒す。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
フューチャリストとは、未来学者のことであり未来のことを考える者である。子供の頃、誰しもがあらゆる未来を語り合ったはずであり、空飛ぶ自家用車なんかは、その代表的な例ではないだろうか。子供の頃は未来を語っていたはずなのに、ある時から現実のみを語るようになる。世間では、それを“大人になった”なんてふうに言う。
本書は、今も未来を語り続ける2人の対談を収録している。私たちに“何か”を代弁しており、楽しい気持ちにしてくれるだろう。そして、ある種、リトマス紙のようなモノだと思う。読んだ後、ひどく脳を揺すられたのであれば“未来を余り語らなくなった者”、あまり揺すられなかったら“未来を語る者”“ひどく未来を語らなくなった者”。後者は、対極の結果になるので、リトマス紙としては不適切か…。
対談本は、少々苦手。対談や議論はその場の空気が重要で、文字だけでは味わいきれない何かがあると思う。
梅田氏と平野氏の対談本(討論本)を関連書籍として挙げる。梅田氏と対談すれば、誰もが未来学者になる。
梅田氏や茂木氏のファンの方は読んでみてはいかがでしょうか。対談本は、読者を選びますね。ファンであれば外れることも少ないと思う。
ページ数: 213
読書時間: 2:02 (1.75 p/min)
【関連記事】
・今年最後の書籍購入 (2007年12月01日)
・ウェブ人間論 (2007年07月10日)
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・フューチャリスト宣言 (梅田 望夫, 茂木 健一郎)
・ウェブ人間論 (梅田 望夫, 平野 啓一郎)
2008年08月15日
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年09月号
定期購読している、唯一の雑誌。届いて直ぐに読んだ。
今月の大特集は、石油に関する話題でした。中国の話題はお休み。
究極の旅へ
火星旅行、ドラッグ、オールヌード、中国珍味が取り上げられていましたが、特に「伝説のドラッグを求めてアマゾンの奥地へ」が面白かったです。日本人は、海外で禁止薬物を利用しても処罰対象になるため実践厳禁ですが…。伝統的な儀式の中に近代物(ペットボトルなど)が含まれている様が、何か可笑しく感じました。
BLOOD BROTHERS 幻のクーデター 戦場ジャーナリストと傭兵の奇妙な友情物語
失敗に終わったクーデターのお話。2004年に発生した赤道ギニアでの出来事。当たり前のことですが、一国を転覆するのは、非常に難しいと言うこと。二重スパイが入り乱れているという話は、本当なのですね。
“Web2.0”の流れに乗れない韓国IT業界は「井の中の蛙」
韓国の IT 業界の現状を書いた記事。数年前、韓国は IT 大国として注目されていましたが、現在はそうでもない。ウェブサービスの囲い込み戦略に固執して、失敗しているという考察です。この話、韓国 NAVER に勤めている方も話していて、やはりそうなのか…という感想。
関連書籍の紹介はパス。米国の IT 事情以外にも、韓国の IT 事情に関する書籍を読みたいな。
ページ数: 138
【関連商品】
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年09月号
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) (定期購読)
Webコミュニティでいちばん大切なこと。 CGMビジネス“成功請負人”たちの考え方
購読しているブログで、度々紹介されていたので購入。
「みんなの就職活動日記」や「楽天」、「ライブドア」などのWebコミュニティを成功させてきた8人の“成功請負人”たちが、Webコミュニティを成功に導くためのノウハウや考え方、リスク対策、そして“Webコミュニティでいちばん大切なこと”を実体験をもとに披露する。「ニコニコ動画」や「2ちゃんねる」のひろゆき氏のインタビューも収録。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
コミュニティサイトを開発・運営していく上で、大切なことを説いた本。コミュニティサイトに限らず、ウェブサービス全般に言えることがたくさん書かれていた。
chapter 1 スタートから成功までの目標とプロセス
chapter 2 リスクマネジメントの必須項目
chapter 3 ユーザーモチベーションを高める運営術
chapter 4 Webコミュニティにおける収益モデルの考え方
chapter 5 ECと集合知の融合 〜ソーシャルコマースの潮流
chapter 6 モバイルコミュニティの可能性
chapter 7 コミュニティビジネスの未来
トピックに分かれた各章をそれぞれの著者が執筆するというスタイル。
コミュニティサイトはつくってすぐ成長するものでも、定期的な売上がのぞめるものでもない。時間をかけて育てていき、それでも失敗するケースが少なくない。
現在のウェブサービスは、ほぼ全て、コミュニティ要素が含まれているものである。従って、ウェブサービスの開発を行う前に、上の事は肝に銘じる必要がある。この事には例外はないと思う。
Web 2.0 は、既に死語になりつつあるが、コミュニティサイトとは切っても切れない関係にあると思う。少し古いが、関連書籍として。
本書は、コミュニティサイトの技術的な部分には余り触れず、概念や哲学を説いた書籍、また、コミュニティサイトを構築する上で必要になる方法論を説いた書籍である。コミュニティサイトの企画を任されてしまった!という方にお勧め。
ページ数: 255
読書時間: 2:40 (1.59 p/min)
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・Amazon で加湿器や空気清浄機を購入 (2008年01月08日)
・Web2.0 キーワードブック (2006年09月24日)
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・Webコミュニティでいちばん大切なこと。 CGMビジネス“成功請負人”たちの考え方 (水波 桂, 平尾 丈, 片岡 俊行, 斉藤 徹, 古川 健介, 伊藤 将雄, 大迫 正治, 原田 和英)
・Web2.0 キーワードブック (SE編集部)
2008年08月14日
ラブホテル進化論
ZAKZAK の「ぴいぷる」で紹介されており、脳内ストックしていた。BOOKOFF で見かけたので購入。
ラブホテルの外観はなぜ派手なのか?回転ベッドはなぜ回るのか?日本人の性意識と日本の住宅事情に密着しながら目まぐるしい進化を遂げたラブホテル。現役女子大学院生による本格研究。
表紙裏に書かれた紹介文より。
書題は、梅田氏のウェブ進化論にかけたのだと思う。元ネタが2年前ということから考えても、流行に乗ると言うよりは、書籍の内容を端的に表しているに過ぎない。
面白い。非常に面白い。研究対象がラブホテルと言うこともあり、なかなか信頼性のある統計データは出てこないのだが(母数が十分でないなど)、感覚的に納得できる答えが書いてある。例えば、幹線道路沿いや高速の IC 近くにラブホテルが多くて疑問に思っていたのだが、その答えも書かれており、納得できるものであった。
CiNii で同種の研究例を探してみたが、法律論が先行しており、ラブホテルそのものを研究対象としているのは彼女だけのように見える(マイクロフイルムを調べれば見つかるかもしれないが)。彼女自身が新たな研究領域を開拓しており、非常に素晴らしいと思う。
ただ、日本人の性意識に関する考察はあまり深く行われておらず、その辺の研究が進めばより面白くなるだろう。
関連書籍は書題繋がりで。
“性”に関する書籍は低俗になりがちだが、本書は全く低俗な感じがしない。本書を読めば、ラブホテルに対するイメージが変わるかも。
ページ数: 219
読書時間: 1:55 (1.90 p/min)
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・BOOKOFF で3冊購入 (2008年04月29日)
・ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (2006年03月23日)
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・ラブホテル進化論 (金 益見)
・ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (梅田 望夫)
【関連情報】
・まきずし大作戦
http://blog.goo.ne.jp/dondonmakikome/
2008年08月04日
Webマイニング
3年ほど前に購入した一冊。
電子ビジネスの将来に有望なWebマイニングの構想と技術を探る。情報探索の見地からWebマイニングのための探索技術の有効性、実現可能性、スケーラビリティ、ユーザビリティに焦点を当てた、研究者・開発者向けテキスト。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
原著は、2001年に出版された Mining the World Wide Web: An Information Search Approach であり、中で参照されている文献は少々古い。また、現在では消えてしまった懐かしいサービスが沢山出てくる。消えてしまった理由を考えれば、サーベイ以上の何かを得ることが出来ると思う。
研究事例では、訳書オリジナルとして「事典検索システム Cyclone」が紹介されており面白かった。未踏ソフトウェア創造事業採択事業ということもあり(筑波大学関係者でもある)システムの存在は知っていたが、仕組みまでは知らなかった。
Webマイニング は情報探索の見地から解説されているが、別の見地(リンクのグラフ構造解析)から解説を行っている本書を関連書籍として挙げる。
Webマイニングに関する研究を検討している学生は読んでみると良いと思う。参考文献が少々古いので、被引用文献の調査も必須ですが…。
ページ数: 197
読書時間: 1:51 (1.77 p/min)
【関連記事】
・ウェブサイエンス入門 - インターネットの構造を解き明かす (2007年11月25日)
【関連商品】
・Webマイニング (武田 善行, 梅村 恭司, 藤井 敦)
・ウェブサイエンス入門―インターネットの構造を解き明かす (斉藤 和巳)
2008年08月03日
くたばれ学校 ある教師の24年間の叫び
BOOKOFF で教育系の書籍を漁っていたら、見つかったので購入。
2006年、新聞各社をはじめマスコミはこぞってこの「いじめ問題」を取り上げた。いじめを苦にした自殺問題に端を発し、「自殺予告」「校長の自殺」「いじめゼロ報告」、石原都知事の「いじめられる奴は弱い奴だ」発言。ところが2007年、その騒ぎがうそのように収束に向かった。何かが解決したのだろうか。
表紙裏に書かれた言葉より。
皆さんは、前記の引用が何の事を言っているか覚えているだろうか。2006年の「いじめ問題」とは、どのようなものか覚えているだろうか。福岡の中学生が自殺予告を行い、実際に自殺を行った悲しい事件である。それを端に、文科省に自殺予告文が送られたり(陰謀論も存在する)、いじめ報告が適切に行われていなかったりしたことが露見した。
このような問題は、常に水面下で起こっているわけであるが、水面に上がるのはマスコミが騒ぐときだけである。水面に出た後は、一種のエンターテイメントとして消費され、また水面下に戻る。モンスターペアレントが現在騒がれているが、今年で沈静化するであろう。
我が国では、教育を受ける権利が保障されており、受けさせる義務も存在する。従って、誰もが教育に関わっているのだ。にもかかわらず、非常に他人行儀であるように思う。苦言を呈すのも文句を言うのも批判を述べるのも非常に簡単だ。しかし、その後の「ではどうするか」が見えてこないし、提言できる者も殆どいない。それなら、現場に任せておけば良いのに…と思う。
本書は、元小学校教師が見た教育現場が綴られている。言ってしまえば、愚痴であるが。モンスターペアレントが話題になりだした時期でもあり、保護者との対応に関する部分が結構ある。是非読んでみて欲しい。
愚痴繋がり、教育現場の実態繋がりと言うことで、本書を関連書籍として挙げる。現場の教員は、現状を外に訴えられないくらい疲弊しており、現場を伝える本は貴重である。
美化している部分が多々見受けられることもあり、読者は選びそう。著者は元教員であるが、少々異端な教員であったと思う。
ページ数: 199
読書時間: 1:45 (1.90 p/min)
【関連記事】
・BOOKOFF で3冊購入 (2008年04月29日)
・学校再発見! - 子どもの生活の場をつくる (2007年06月15日)
【関連商品】
・くたばれ学校 ある教師の24年間の叫び (今村 克彦)
・学校再発見!―子どもの生活の場をつくる (岡崎 勝)
頭のいい人が儲からない理由
購読しているブログで、度々紹介されていたので購入。エフルートの佐藤さんがブログに書いていたのが、最大のきっかけ。
まじめで勤勉だと成功が遠ざかる、人脈なんかつくる必要はない、新聞を読むのはムダ-。IT革命草創期に数々の起業で成功した著者の「悪の儲け学」。ゾクっとくるエピソードで「儲け方」がわかる!
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
自慢話と言えばその通り、事例集と言えばその通り、根性論と言えばその通り、経営哲学と言えばその通り。本書は、読者のとらえ方次第で、大きくイメージが変わると思う。読む前に「頭のいい人が儲からない理由」を考えてみてたどり着いた答えは、著者の答えに包括されていた。
第一章 動きを止めたら死ぬだけだ
第二章 常識はビジネスの敵だ
第三章 正しい戦略のみが勝つ
第四章 儲けのメカニズムを見つけよ
第五章 勉強できる人は起業できない
第六章 トップとリーダーは資質が違う
同じような事を述べている書籍は多いと思うが、そこまでたどり着く過程は、著者それぞれでは無いだろうか。すなわち、違った経験をしているのである。僕は、失敗例の方が知りたい人間ではあるので、成功例をツラツラ書かれるのも…と途中まで思っていたのだが、成功に至るまでの戦略過程を考えるのは、結構面白いものだと思った。
常識を疑うという点から前者を。経験の疑似体験という点から後者を挙げる。経営者の経験本は、過去にも数冊読んでいるので、興味があれば Books からどうぞ。
自慢話ととらえてしまうと、少々勿体ない。経験談は、新たな発想の素になるはずである。
ページ数: 173
読書時間: 1:34 (1.84 p/min)
【関連記事】
・勉強会の資料などを注文しました (2008年02月12日)
・ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (2008年05月11日)
・すごい起業 絶頂と奈落のベンチャー企業「ガズーバ」 (2006年01月07日)
【関連商品】
・頭のいい人が儲からない理由 (坂本 桂一)
・ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (島田 紳助)
・すごい起業 絶頂と奈落のベンチャー企業「ガズーバ」 (大橋 禅太郎)
2008年08月02日
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年08月号
定期購読している、唯一の雑誌。前回の書評から時間が経ってしまいました…。
今月の大特集は、エコと北京五輪でした。中国の話題は4号続けて…。
「エコ」をリアルに考える
エコというと無条件に良いことだと考えられがちなのですが、現在は、ビジネス的な面に引っ張られつつあるようです。その一面が、投資の拡大。シリコンバレーでの投資対象も IT から6兆円規模の“エコ”に変わりつつあるのだそう。
黒い森の「太陽都市」フライブルクの“冒険”
環境先進国のドイツでは、様々な取り組みを行っている。その1つが、町中に太陽光発電パネルを設置しているフライブルクのヴォーバン地区です。太陽光発電パネルが大量設置されていると聞くと、近未来的な科学都市を思い浮かべてしまいますが、現実は、緑の多い町のようです。
緑がふんだんにある場所で持続可能な生活を求める
この考え方は素晴らしい。僕は、緑が多くないと、生活が窮屈に感じます。
北京五輪“非公式”ガイド
8月8日に迫った、北京五輪の特集です。有力選手の不自由さなどが涙を誘います…。
今回は、関連書籍のピックアップをパスします。良いのが思い付かない…。
今 Fujisan.co.jp では COURRiER Japon を 8% OFF で定期購読できるキャンペーンを行っています。興味のある方は、この機会にどうぞ。
COURRiER Japon の唯一の不満点は、オリジナル記事(翻訳元記事)の掲載日が記載されていないことです。問題になる事は少ないのですが、たまに IT 系の記事で、一気に状況が変わっていることもあり、元記事の掲載日が知りたいな…と。アンケートで要望を出してみました。
ページ数: 146
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・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2008年08月号
・COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) (定期購読)
2008年07月12日
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?
404 Blog Not Found で紹介されていたり、友人が読んでいたりしたので購入した一冊。世に出てから1年以上経つのか…。
本書では、2ちゃんねるの管理運営を通じ、ひろゆき氏が考えるインターネット論を展開。数多のインターネット賞賛本とは異なる、技術者であり、“ネ申”であるひろゆき氏が考えるインターネット“進化論”となっております。また、IT系ジャーナリズムの第一人者・佐々木俊尚氏、カリスマプログラマー・小飼弾氏との対談も圧巻です。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
書題は、2005年に出版された さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 から取ったのでしょう(読んでいないのだが)。本書は、最初に書題の問いに答え、ひろゆき氏によるインターネット論、佐々木氏や小飼氏対談へと続きます。
物事というのは、少し視点を変えるだけで見えるものが大きく変わる。ウェブ進化論は、ひたすらインターネットの未来を見せようとするのだが、本書は、現実を見せようとする。その現実は、リアルな社会と密接に関連するが故、法制度の問題などにも飛び火する。
梅田氏とひろゆき氏のスタンスの違いは、対談の中でも指摘されている。
佐々木 お会いしたことはないですけど、梅田さんは常に理想論を言いすぎて反論できないから、そこで話が終わってしまう。一方で西村さんは、あまりにも現実的でベタな話をしすぎて話が終わってしまう。2人は両極端なんじゃないかなと。
表面上は両極端だが、実は、同じような未来を見てるのではないかと思う。何だろう、梅田氏は夢を見せることで若い人の力を引き出そうとする、ひろゆき氏は現実を見せることでその現実を変えたい人の力を引き出そうとする、という感じ。もちろん、印象論であって現実は解らない。
そんなわけで、この本のほとんどを書いた杉原さんに感謝です。
あとがきに書いてあったのだが、本当の執筆者は誰なのだろう…。確率の問題でもあるけど、インターネットで行われる匿名云々の議論は、インターネットで閉じないのだな。
対極(?)の内容と視点を変えると新たなものが見えた書籍を関連書籍として。
ベタな話が書かれていて、読者を選ぶと思う。購入するほどの内容じゃなかったな…というのが、正直なところ。ウェブ進化論を読んだ人は、バランスを取るために本書を読むのはいかがかな。
ページ数: 255
読書時間: 2:45 (1.65 p/min)
【関連記事】
・今年最後の書籍購入 (2007年12月01日)
・世間のウソ (2006年11月25日)
・ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (2006年03月23日)
【関連商品】
・2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (西村 博之)
・ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (梅田 望夫)
・世間のウソ (日垣 隆)
2008年06月29日
Googleを支える技術 〜巨大システムの内側の世界
友人に勧められたり、検索エンジン作成熱が再発したりと複合的な要因で購入。
たとえば、ふだんなにげなく行っているWeb検索。背後には、想像以上に膨大な計算、多数のコンピュータの働きがあります。本書では、論文やWebなどで公開されているパブリックな情報をもとに、Googleの基盤システムについて技術的な側面から解説を試みています。世界規模のシステムにおける『分散ストレージ』『大規模データ処理』『運用コスト』など注目の話題を盛り込み、学部生をはじめ初学者の方々にもお読みいただけるように基礎知識から平易に説明します。
Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。
この本は、教育実習中に読み始め、読み終えた。僕が担当する授業の中で、この本の第1章を解説しようと思ったからだ。僕の授業は、検索エンジンの利用を学ぶというものであった。
「僕にしか出来ない授業とは何か」と考えた末、たどり着いたのが「検索エンジンの仕組みを解説する」ということ。仕組みを知って、検索エンジンで出来ること、出来ないことを学びましょうという意図。と、教育実習の話はまた別に…。
本書は、そのような意図に似ている。巷に溢れる Google に関する書籍は、利用する側の立場で、作成する側の立場ではない。技術者は Google を好んで利用するといわれているが、残念ながら、技術者が好む Google に関する書籍は無かった。その穴が、本書で埋められる。
Google の技術はオープンであるといわれていたが、日本語圏にいる限り、そのような実感が無かった。また、それぞれが分断されており、関連性を掴むのが難しかったと思う。本書では、散らばった情報を日本語で纏めており、全体像を掴むのに非常に有益であった。
第1章 Googleの誕生
第2章 Googleの大規模化
第3章 Googleの分散ストレージ
第4章 Googleの分散データ処理
第5章 Googleの運用コスト
第6章 Googleの開発体制
目次の通り、ソフトウェアからハードウェアまで幅広く取り上げられている(第5章は電力問題に関する解説)。巨大なシステムを解説しているが故、直ぐには役に立たないと思ったが、直ぐに取り入れられそうなアイデアが結構あった(時期 CEEK.JP NEWS に取り入れたい)。
Google の組織的(文系的?)な理解を促す書籍として、この2冊挙げる。
検索エンジンに興味のある方には、誰にでもお勧めする。仕組みを知ってこそ、見えてくる部分もある。本書を切っ掛けに、基の論文を読めば、なお良さそうである(関連情報のページを参照)。
英語の重要さも痛感…。
ページ数: 271
【関連記事】
・書籍を4冊注文しました (2008年04月19日)
・Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター (2007年09月02日)
・ザ・サーチ グーグルが世界を変えた (2006年02月18日)
【関連商品】
・Googleを支える技術 〜巨大システムの内側の世界 (西田 圭介)
・Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター (デビッド ヴァイス)
・ザ・サーチ グーグルが世界を変えた (ジョン・バッテル)
【関連情報】
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http://chalow.net/2008-03-25-1.html
2008年06月28日
教育力
教育実習を控え、教育系の本を読もうと BOOKOFF で購入した一冊。
教師に求められるものとは何か。著者は数々の斬新な視点から、それを明らかにする。あこがれの伝染としての教育、祝祭としての授業、社会に食い込む技術、さらには開かれた体、課題のゲーム化……。そこから浮かび上がる「良い先生」の条件は、学校に限らず、企業や家庭で管理職や親として「教える」立場にあるすべての人に役立つであろう。
表紙の裏に書かれた言葉より。
この本は、教育実習前に読み始めた。読了していなかったが、実習期間中に読了した。
教職課程のある授業で「あなたは何故教職課程を受けるのですか?」と聞かれたことがあった(プリントに回答を書く)。3年前くらいかな。僕の回答は「卒業後教員になるかどうかはわからない。しかし、どのような職業に就くにしても『教育』を行う場面に出くわすだろう。その時のために学ぶ。」であった。
僕は、教育実習に参加するとき、非常に悩んでいた。教育とは、いったい何なのだろう…と。教育実習は初めての経験だし、不安になるのは当然なのかもしれない。しかし、自分を支える「芯」が無く非常に心細かった。本書で、その芯を得ることが出来た。
教育の一番の基本は、学ぶ意欲をかき立てることだ。そのためには、教える者自身が、あこがれを強く持つ必要がある。「なんて素晴らしいんだ」という熱い気持ちが、相手にも伝わる。
序章の p.1 で満足できた。他は、その「教育」に対する補足である。
「あこがれ」を生徒に伝えるためにどうすればいいのだろう、と考えた末、校内に入ったら「先生」に徹することにした。案外難しい。校外では、落ち込んだり、このまま旅に出てやろうかと思ったことすらあるが、校内では「先生」に徹した。もちろん、周りから見れば無茶苦茶な先生だっただろうけど…。
「教育実習生」「学生」という意識は、生徒にあこがれを伝える上で、大きな壁になっていると思う。そして、多くの実習生は、その意識が抜けていない。その意識は、自身の能力向上を止めてしまう可能性すらある。「授業をさせていただく」「授業を聞いてくれてありがとう」という言葉が口から出るようであれば、要注意。
「先生」に徹する余り、最後まで「教育実習生」として、生徒に感謝の気持ちを言葉で伝えなかったことは、後悔しているといえば後悔している。過去のことだから仕方ないのだけど。この辺は、書評と関係ないので、別に書かねば…。
教育系の書籍は数冊読んでいるが、実習で特に意識した2冊を紹介。前者は、教科教育(情報科)の際に、生徒にどのような課題を与えるかの参考に(考えるという方向性)。後者は、生徒指導を教科教育に取り入れないかを考えた。
同意しかねる事も書かれていたが、自分を救ってくれた一冊でもある。教育実習を控える学生にお勧めする。
ページ数: 214
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