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2008年04月14日

ブラックサイト

サイバー系のサスペンスということで観てきました。

ある夜、警察から FBI に猫の虐待をライブ放送しているサイトの捜査依頼がくる。猫の虐待死の配信が終わった後、競技場で誘拐された男の殺害中継が流された。サイトへのアクセス数とともに投入薬物が増やされ、徐々に死に至る様子を流すという残忍なものである。FBI 捜査官であるジェニファーが操作を始めるものの、次の殺害中継が始まり…。

FBIサイバー捜査官を追いつめる、66億人の好奇心。

「一緒に殺す」というのが犯人のメッセージであり、アクセス数が増えれば増えるほど、被害者の死が早くなります。インターネットという空間では、好奇心が優先されどこか他人行儀になると言うのを上手く表しています。

killwithme.com というドメインが使われたという設定で、ネームサーバはロシアにあり FBI の管轄外であるというのは、インターネット犯罪が自国で完結しないというのを示しています。IP アドレスが次々切り替わり、遮断が難しいのを TTL を交えて説明していました。

.com を管理しているのは米国団体のはずなので FBI の捜査権が及ぶはずですが(作品中では触れず)、ドメインネームのような国際的公共物の管理団体に、一国の捜査権を強力に適用して良いのかという疑問も出てきました。また、通信の遮断はどこまでなら許容範囲であるかというのも(作品中では行わず)。

インターネット犯罪の題材としては良くできていたのですが、ストーリーに捻りが足らず。犯人への到達が早すぎです。もう少し伏線を示しながら、手繰っていければ面白かったと思います。

途中、国家安全保障局のスーパーコンピュータを使いたいという話があり、却下されるのですが、スーパーコンピュータは何の役に立ったのだろうか。エシュロンを用いて、ロシアでの通信を傍受したかったのかな。

題材は面白かったですが、映画作品としては捻りが足りません。まぁまぁ良い作品だと思いますが、グロシーンが出てくるので注意が必要です。

ソニーが killwithme.com を手放した後、映画を模倣する事件が起こらないのを願っています。

劇場: MOVIX 柏の葉
座席: 4 H-6

【関連情報】
・ブラックサイト
 http://www.sonypictures.jp/movies/untraceable/
・KILL WITH ME
 http://www.killwithme.com/

2008年04月14日 23:23 | Movies

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