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2006年04月05日
大学のネットワークへの Winny PC の接続が禁止されました
TWINS という履修管理システムにログインして、事務からのお知らせを見ていたら「データファイル交換ソフト(Winny)のインストールされたパソコンの接続禁止について」という通達が出ているではありませんか。
学内ネットワークに接続するパソコンには Winny をインストールしないでください。また、自宅のパソコンにも Winny をインストールしないことをお勧めします。
という通達です。
自衛手段を教えるよりも、使用を禁止する方が手っ取り早いのは同意するが、教育機関が行う行動なのだろうか。また、学内ネットワーク上での Winny の使用禁止ではなく、インストールされている PC の接続を禁止されました。これも意味不明。
研究室の PC にインストールされることを想定しているのかもしれないけど、無線 LAN を利用した私的 PC の接続もありうるわけで。つーか、読めば読むほどおかしな通達文だな。
対象者は、学生だけではなく職員(教員)も含まれています。加えて、例外に関する記述が無いことから、実質、筑波大学では Winny ネットワークの研究は禁止ということでしょうか。巨大化した P2P ネットワークは、研究題材として面白そうなんですが。
1月に起きた個人情報流出では、再発防止策として以下が挙げられていた。
恒久的な対策として、患者様の情報の取扱いに関するルールの再点検、情報の暗号化等セキュリティ対策の強化、学生に対する教育の徹底など、総合的な再発防止策を実施します。
まさか、この接続禁止が「学生に対する教育」じゃ無いよね?まぁ。この再発防止策は、医学専門学群生だけを対象としてるのかも知れんけど。
あー。嫌だ嫌だ。なんか、恥ずかしい。
嫌味な見方をすると、今後、Winny による個人情報等の流出が発生したときに「大学は使用を禁止していたのですよ!」という主張を行うための準備にしか見えない。Winny 以外で個人情報が流出したらどう対応するんだろうね。
自衛させるつもりが無いなら FW で切断しちゃえばいいのに。
そういえば、2年ほど前に情報学類から出ていた通達を思い出した。
情報学類教育用計算機システムは,教育を目的としたコンピュータ環境を提供しております.その目的に沿う限り,皆さんの積極的な活動を推奨しておりますし,その上で仮に何らかの失敗があったとしても,それは教育の範疇です.
しかし,反社会的な行為は,決して許されるべきではありません.(一部略)情報学類の皆 さんだからこそ,つまり高い技術を持った皆さんだからこそ,自分を律することが重要だと考えます.
あー。懐かしい。2004年の5月に出ているのだけど、何かあったっけな…。あー。金子氏の逮捕だ。
大学本部と学類では、温度差がありそう。
【関連記事】
・日本人向けのウイルス (2006年03月16日)
【関連情報】
・データファイル交換ソフト(Winny)のインストールされたパソコンの接続禁止について
http://zsvr.sec.tsukuba.ac.jp/~security/ftp/20060301_winny.pdf
・学生が保持していた個人情報の流出について
http://www.tsukuba.ac.jp/koho/press/press060119.pdf
2006年04月05日 06:05 | University
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コメント
公共の教育機関で、不正なファイルを大量に取引し(9割以上が著作権を無視したファイルの交換と言われている)、ウイルスによる脅威に晒されるのは問題だと思う。
僕は、妥当だと思うが・・・。
投稿者 通りすがり : 2006年04月05日 08:02
WIDE時代にはAUPがあったから、この程度のルールは当然だったのだが…。
「研究目的」と称すればエロ動画閲覧でもなんでも許されるわけじゃないっしょ。P2Pを勉強するなら、Winnyより自前でミニマルモデルつくったほうが有益。具体的にWinnyネットワークに接続して何を研究するのか、また違法行為に荷担するおそれはないのかについてきちんと述べられるというならいいけどね。
投稿者 Bar : 2006年04月05日 09:49
私が大学の通達を見る限りでは、それほど不適切にはみえないのですが、
どのような通達が適切だとお考えですか?
投稿者 卒業生 : 2006年04月05日 10:26
研究室内で閉じたWinnyネットワークを作って、研究で作ったP2Pソフトとの性能比較をしたという事例を聞いた事があるな。
せめて、指導教官の許可を得て、とか言ってもらえると嬉しいのだけど、
大学本部は、大学教授も信用していないんだね。
投稿者 IKeJI : 2006年04月05日 12:28
・ファイル共有ソフト等を利用した違法行為(著作権侵害等)の禁止
・ウイルス対策等を行っていない PC の学内ネットワーク接続の禁止
という通達を、具体的なソフトウェア名を挙げて行われれば良いと思いました(ファイル共有ソフト/アンチウイルスソフト)。
高等教育機関がソフトウェア名だけを挙げ、一律に禁止するというのは、そこで思考が停止しているようで、僕には、どうも馴染みません。「○○には行っちゃダメ!」みたいな初等教育とあまり変わらない。
また、通達に例外が書かれていないので、研究の多様性(自由)を捨ててしまっているような感じがします(研究という名の下違法行為をはたらいて良いという訳ではない)。
まー。単に、先日あった政府からの呼びかけが、それよりも早く教育・研究機関で「強制という形」行われたのが、残念だと感じているだけです。
Winny ネットワークを利用した研究ですが、P2P ネットワークにおける貢献者がどれくらい居るのか、とか、情報流出が報道されてからの、その該当ファイルの流れとかが研究できれば面白いと思ったのですが、そんなことも無いですかね。
> 大学本部は、大学教授も信用していないんだね。
学生よりも職員の方が流出させているケースが多いようですから…。
つーか、僕は、今日までこの通達が出ていることを知らなかったんですが、大学の関係者の皆様は知ってたのでしょうか…。
もしかすると、筑波大生であれば、一律禁止を行わなくとも、皆がちゃんと対応できるという、僕の幻想かもしれません。
投稿者 ceekz : 2006年04月05日 13:39
>> 大学本部は、大学教授も信用していないんだね。
>学生よりも職員の方が流出させているケースが多いようですから…。
さらにいうと、学生から漏れた情報と職員から漏れた情報では大学当局に与えるダメージの大きさも桁違いでしょうしね。
大学としては、学生から情報が流出することより、著作権等を侵害しているファイルがやりとりされたり、帯域を食いつぶされることの方がいやなのだと思います。
あと、
>嫌味な見方をすると、今後、Winny による個人情報等の流出が発生したときに「大学は使用を禁止していたのですよ!」という主張を行うための準備にしか見えない。Winny 以外で個人情報が流出したらどう対応するんだろうね。
これは組織としてはごく普通の対応だと思いますけど。自衛策として
「これこれしかじかの対策はしてありました。でも、個人の責任で事故が発生したのです」
と逃げるためですよね。
投稿者 名無し : 2006年04月05日 20:31
>つーか、僕は、今日までこの通達が出ていることを知らなかったんですが、大学の関係者の皆様は知ってたのでしょうか…。
医学内ですが知りませんでした
情報漏洩をおこした時点で医学内で通達と講習会の開催がされてWinnyの使用が実質禁止されましたが
情報学類の通達はなかなか素敵ですね
これはどこかで使わせてもらおう(w
温度差って言ってますが大学本部=非専門家、情報学類=専門家と考えると大学本部の通達も仕方のない流れかなと思います
投稿者 旧ある大学院生 : 2006年04月05日 20:42
言い逃れのための口実のように思うかも知れませんが、こういうのを大人の言葉で「リスクマネジメント」と言うのですよ。
組織を運営していく上ではリスクマネジメントが出来ていないとダメですからね。
投稿者 つくばーな : 2006年04月05日 21:30