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2007年12月01日

人生を完全にダメにするための11のレッスン

人生を完全にダメにするための11のレッスン

タイトルに惹かれて購入してみた。

人生の成功のための書籍はたくさん出版されているが、その逆の書籍が無いのはなぜだろう。人生の失敗に関する「失敗学」を数式を交えて解説する。正しい失敗学をはじめ、そのアドバイス、そしてトレーニング法を伝授する。

積極的にダメ人生をめざすあなたに、究極のマニュアル本が登場!フランスで熱狂的な支持を集めたベストセラー本、ついに日本に上陸!何の役にも立たない、この人生マニュアルがあなたの運命を変える!?

人生の成功に関する書籍がたくさん出版されている反動もあり、フランスでベストセラーになったということだが、実は、いわゆる「知的」な雰囲気が受けたのでは無いかと思う。失敗の例の比喩が、ヨーロッパ史に基づくため、この書籍を読める(理解できる)ということは、ヨーロッパ史を理解しているという事にも繋がるからだ。

前半では、失敗学に関する理論的な説明が記載されている。理論には付き物の「数式」も当然ように出てくるが、その数式が面白い。どうでもいい事を数式で表現する滑稽さが良い。後半では、具体的なアドバイスやトレーニング法が記載されている。当然、笑いを取るためのものだと思う。

失敗を目指して、全て「失敗」するという事は、即ち「成功」しているという事である。失敗に「成功」しなければ、失敗しないからだ。このパラドックスにも触れられているが、曖昧になっている。あえて、曖昧にしているのだろう。

失敗から学び、成功に近づくという類の書籍ではない。純粋に失敗学を突き詰めており(ふざけている様にも見えるが)、ユーモア溢れる書籍である。ヨーロッパ史を理解している方が楽しめるが(特に前半)、無理解でもそれなりに面白い(歴史を知らなくとも雰囲気が伝わる)。笑いを期待する方は、是非どうぞ。

本書を読めば、人生を完全にダメということの困難さが解る(ダメにするという定義にもよるが)。誰にだって、少しは「成功」というものがあるのだろう。ゲラゲラ笑いながら前向きになれれば良いと思う。

ページ数: 251
読書時間: 2:18 (1.82 p/min)

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2007年12月01日 23:44 | Books

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