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2008年02月15日
目録の著作権はどうなってるの?とか
金曜日は、図書館の話題をひっそりと。
定期的に図書館の話題を書いていくため、カテゴリ Toshokan を準備しました。一般的には Library かと思われますが、海外の図書館と区別するということで…。筑波大学の AC 入試が、海外の AO 入試と区別しているのと同様です。
カテゴリを新設したので、週1回更新を改めるかもです。まぁ。何時まで続くのか…。
検索システムやリコメンドエンジンの研究・開発を行うために、筑波大学附属図書館の目録データが欲しいです。
先週、目録のデータが欲しいと書いたわけですが、その著作権はどうなっているのだろう。目録の集合体である目録データベース(MARC)は、データベースの著作権が認められるのと同様、著作権を有すると思うのですが、小分けされた目録そのものはどうなんでしょう。
目録の作成には、非常に中立性が求められ、「思想又は感情を創作的に表現したも」ではまずいと思うのですよね。また、そうやって作成されていると思います。
ただ、著作権の保護はなされていなかったとしても、民法の不法行為条項で救うことは出来ると思います。記憶に新しいものでは、ニュース記事の見出しがありますね。借りに裁判となれば、同様の判決が出るのではないかと思います。
・見出しの無断配信は不法行為、知財高裁が読売新聞の訴えを一部認める判決
デジタルアライアンス社は上告しておらず、判決は確定しています。
結局のところ、社会通念上許されるかどうかかもしれませんね。著作権周りは、特にそう思います。目録に関して言えば、書籍のタイトルに創造性が認められているならば、それを目録に載せることは、権利者の承諾を得られない限り、難しいはずです。うう。これ以上の深入りを止めよう…。やぶ蛇出そう。
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・はてなブックマーク - 図書館のゲートの位置とか - Ceekz Logs
「ゲートを蔵書の位置だけに設置する」アイディアとしてはありなんだが借りてない図書を閲覧席で読めないんだよなあ
ゲート内の閲覧席を全て無くす必要は無いと思います。かなり減らしたり、本棚間に椅子を置くという感じを想定しています。通常時の図書閲覧者に対し、過不足無いだけの閲覧席をゲート内に準備するということです。実質は、図書館を正当に利用する者に対しての制限はかからないはずですが、制限されたように感じられるでしょうから、反発は大きいと思います。また、過不足無い数を求めるときにも一悶着が予想されますね。
筑波大学中央図書館に関して言えば、自動貸出機も整備されているので、ゲート外の持ち出しもそんなに苦にならないかな…と思ったりもしていますが。ただ、今まで無かった「苦」を作りますから、やはり反発が…。
・図書被害多発にどう取り組むか…切り抜き、書き込みなど - 鹿児島 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
・中日新聞:本が“泣いています” 伊勢図書館、痛々しい破損15冊展示:三重(CHUNICHI Web)
約78万冊の蔵書がある市立図書館では、2006年度に約80冊の一般図書や雑誌が被害に遭った。
来館者数、貸出冊数、新書数などが書かれていませんが、かなり少ないというのが正直なところです。毀損される書籍は、最近出版された書籍が多いのではないでしょうか。利用者は、新しい書籍に対し、保存という概念を見出しにくいのではないかと思います。
職員は修理に専用ののりやテープを使うが、利用者が市販のセロハンテープで修理すると劣化して黄色く変色するため逆効果という。
毀損してしまった場合に、申し出やすい雰囲気も必要ですね。毀損に厳しく対応するあまり、保存するという目的の逆効果になる場合もあるでしょう。引用の事例は、その代表例かと思います。モラルバハザードを招く可能性もあるのですが、毀損した書籍を匿名で入れることが出来る箱があっても良いかと。
・asahi.com:大学図書館の蔵書、学生が選ぶ 西日本の大学に広がる - 関西
・「柔軟な本選び」か、それともただの責任放棄か - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
大学図書館が購入する本の一部を学生たちに書店で選んでもらう「ブックハンティング」が、西日本の大学を中心に広がっている。ベストセラー小説や旅行ガイド、実用書など、これまでの大学図書館にはあまりなかった本が次々と蔵書に加えられている。
そういう書籍は、大学図書館に必要なのでしょうか?大学図書館に必要な書籍は、一般の書店で手に入りにくい書籍だと思うのだけど。個人的には、投資できるだけの余裕があるのに、自分に投資できない(書籍を買わないとか)人は、何をやってもダメだと思います。飛躍しますけど。
・・・ぶっちゃけ、ベストセラー入れるより1年次の必修/通年の授業で毎週図書館で本借りないと完成できないようなレポート課す方が貸出数も伸びるし教育効果も高いと思うけどね。
情報収集というと、インターネットに偏りがちで、図書館の使い方を知らない学生も多いのじゃないのかな。図書館の使い方を実践的に学べる科目の開設は、必要だと思います。リサーチ方法の幅を広げるためにも。
・asahi.com:ジュンク堂書店池袋本店、“連想検索”で本を探すシステム導入 - 日刊工業新聞ニュース - デジタル
在庫本だけでなく、競合関係にある古書店や図書館の所蔵がチェックできる。
利用者視点に立っており、非常に良い試みだと思います。導入後の成果を、図書館情報学系の学会で発表されればと思いますが、難しいかな…。逆に、公共図書館の蔵書検索システムで、書店の在庫情報を検索できる日は来るのだろうか…。千代田区立図書館が行っていたっけか。
・自動車図書館廃止へ/那覇市、財政難で本年度限り 沖縄タイムス
・はてなブックマーク - 自動車図書館廃止へ/那覇市、財政難で本年度限り 沖縄タイムス
地方公共団体の財政難により、公共図書館のサービスが縮小される例ですね。
人口30万人、市域40平方キロメートルに、すでに7つの市立図書館がある。
既に過剰サービスであった可能性もあります。ただ、公共サービスにおいて、図書館そのものが過剰サービスであるという考え方も成り立ちます。
・大きく変わった「図書館無料の原則」の意義 - Copy & Copyright Diary
・貸与権とマンガ喫茶 - Copy & Copyright Diary
これは図書館界全体が、貸与権について、明確な反対を打ち出さなかったツケである。
貸与権の存在は知っておりましたが、明確な反対を行っていなかった事実を知ったのは、有料化の可能性を調べているときでした。その時、「ああ。公共図書館は無料以外に選択肢を作らないつもりだったんだな。公金で安泰と思っているんだな。」と理解しました。
図書館サービスの有料化を語るのであれば、有料化した後、どのようにして図書館サービスを行えるようにするのかをきちんと示して欲しい。
貸与権を逃れる方法としては、漫画喫茶のように貸出を禁止するような方法があると思います。図書貸出の意義をよく理解していない僕としては、今のところそれでも良いと思うのです(場としての図書館サービス充実とセットだけど)。しかし、漫画喫茶が図書館と呼ばれないのと同様、図書貸出の行われていない図書館は、図書館と呼ばれないと思います。そう考えた場合、図書館のアイデンティティは「図書貸出」なのかな…と。
ま。机上の空論ですかね。図書有料化論よりも、公共図書館不要論にシフトした方が楽かなぁ。大学図書館に関しては、大学設置基準がらみで、また別に書きます。
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最近、少しだけ図書館ブロガーと認知されてきたという噂。でも、日記書きなのでブロガーではありません :) 海外のブログと区別しようと思っててね。
【関連記事】
・図書館のゲートの位置とか (2008年02月08日)
2008年02月15日 23:49 | Toshokan
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