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2008年03月15日

はじめての文献複写申込とか

金曜日といわずに週末は図書館の話題ということで。出来るだけ金曜日に書きたいのですが…。

CiNii - サービス原価を基礎にした「行革」議論を(上)図書館の貸し出し予約、1冊にも税金から566円--ABC分析で業務の枠組みとプロセス改革を検討する

日本の図書館に関する費用対効果などを示したデータが欲しいと思ったのですが、図書館界隈の方々は認知していないようでしたので、自分で探してみようと思います。

という挑発的な事を書いていたら(図書館の話題はゆっくりひっそりと)、前記の文献を愚智提衡而立治之至也の方に紹介して頂きました。ありがとうございます。

図書館で文献複写申込を行い、入手したのでその顛末など。

筑波大学附属図書館で文献複写申込(私費)を行いました。図書館 Web サービスで行えるということで、ワクワクしながら自宅で申込を行おうと思ったのですが、マニュアルに書かれている「私費文献複写依頼」ボタンが表示されません…。

そうです。事前に「文献複写申込」の利用申請をレファレンスデスクで行う必要があるのです(ウェブで利用申請できない)。この事実に気づくまで、時間を無駄にしてしまいました…。利用申請を行った翌日から「文献複写申込」の Web サービスが利用できるようになるため、レファレンスデスクで文献複写申込を行う方が早いですね(利用申請と同時に初回の文献複写申込を行うとか)。

ウェブで利用申請を行えないのは何故だろう…。また、利用申請を行っていなくとも「私費文献複写依頼」ボタンを表示し、申請が必要な旨を表示する方が便利そう(未申請時)。

2月18日 15:00 : ウェブで利用申請書の取り寄せ
2月18日 16:50 : 中央図書館レファレンスデスクに利用申請書を提出
2月19日 09:00 : ウェブ「文献複写申込」が可能に(多分)
2月19日 16:00 : 文献複写申込
2月22日 15:55 : メールにて複写物到着の案内が届く

時系列にすると、以上の通りです。実際に受け取った日時は、失念してしまいました…。手数料を支払ったのですが、領収書は発行されませんでした(言えば貰えると思うけど)。

B4 3枚の複写で、合計180円でした(1枚30円 * 3枚 + 送料90円)。複写種別は「電子複写」なので、要はコピー機のことかな。申請から到着まで3日しか経っておらず、高度にシステム化されているのだと思います。著作権法上、原価でしか提供できないのは(しかも人件費は無視されている)、システム存続を考えると、マイナスっぽいですね…。

本日のまとめ。

・筑波大学附属図書館では「文献複写申込」をウェブで行うことが出来ます
・が、事前にレファレンスデスクで手続きが必要です
・文献複写は安い!早い!の二拍子が揃っています(複写内容によるだろうが)
・文献複写は原価以下で提供されています

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CiNii - サービス原価を基礎にした「行革」議論を(上)図書館の貸し出し予約、1冊にも税金から566円--ABC分析で業務の枠組みとプロセス改革を検討する

7年以上前の記事という事もあり、細かい計算は異なってきていると思いますが(そう信じたい)、非常に面白い内容が書かれていました。図書館における行政サービスの原価計算を行い、その結果を基にどうすればサービスを効率化できるのか考えていくきっかけを示しています。また、筆者は、図書館サービスの中心が「蔵書貸出」であることに、否定的であるようです。

「地域の図書館に立ち寄り、いくつかの本を閲覧し、興味のある分野に関する参考図書を教えてもらい、その本を含めて3冊予約した。次の機会に2冊借りたのだが、うっかり返却を忘れてはがきや電話で催促された」場合のコスト計算
閲覧(277) + レファレンス(5,319) + 予約(566*3) + 貸し出し(176*2) + 催促(1,844) = 合計(9,490円)

以上が、掲載されていたコスト計算の例です(引用の際にレイアウトを変更している)。

継続にはお金が必要という事もあり、物事をお金に換算すると見えることも増えるでしょう(お金だけを見ると見えないものも増えます)。スタートには、熱意が必要ですが、継続にはお金が必要というのが現実なのです。その上で、高いコストがかかっている物事が本当に必要かどうかの検討を行えばよいと思います。

今回行った、ABC分析はどのような手法で、行政評価にとってどのような有効性があるのか。あるいは、図書館以外にも、どのような分野に応用の可能性があるのか。これらについては、次回に述べることとする。

続きが読みたい!

○○市立市民図書館の返却カウンターは一種のリコメンデーションだったか? - かたつむりは電子図書館の夢をみるか

面白い視点ですね。ウェブの蔵書検索システムでも、最終貸出日時や総貸出回数で一覧を表示したり検索結果をソートできると、新しい書籍に出会うパターンが増えそうです。

筑波大学附属図書館の蔵書検索システムでは、返却された瞬間に「返却済み」となります。その為、返却窓口に存在し、書架に存在しない場合があるので注意が必要です。書架の整理は、利用者に任されている部分もあり(閲覧した後に規定の場所に戻すかどうかは利用者次第)、規定の場所に存在しなくても周りを探す必要があるのですよね…。規定の場所に存在しない場合、窓口にあるかもしれないということを頭に入れておいて損は無いです。

中央図書館耐震改修工事に伴う図書の利用停止について - 新しい情報(全館共通) - TULIPS
50万冊の資料を利用可能な状態で一時的に退避させる方法を考えよ。ただし新しい図書館を建てることは不可能とする。 - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
Digital & Law 研究室日誌: デジタル図書館と著作権法

中央図書館の建物は現行の耐震基準を充たしていないため、本年度より3ヶ年計画で本館部分の耐震補強工事が行われることとなりました。

かなり重要なアナウンスですが(一部蔵書が2年間利用できなくなる)、ウェブでの案内は1週間遅れですね。案内のフローはどうなっているのでしょう…。

噂の「安来市誌」も借りれなくなるので、借りたい方はお早めに(安来市が図書館に文献の一部削除を要請)。

これはもういっそ、GoogleかOCAとでも組んで電子化するくらいしか手がないんじゃないか、と言う気もしてくるが・・・

電子化に関する疑問をコメントで書きました。現法制度下では、難しそうです。法改正に向けて、話が進み始めていますが、図書館が積極的に提言を行えるかは疑問です(僕は図書館の活動に悲観的なので)。

古い蔵書だけを集めていくような「大学研究共同利用機関法人」があっても良いなと思いました。現在は、国立国会図書館しかその役割を担っていないので。現在は相互利用を促進するハブはありますが、物理的に蔵書を置いておくようなハブはなさそうなので。

蔵書一発検索へ - 長野 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

県教委文化財・生涯学習課によると、県内には、県や市町村、八十二文化財団(長野市)が運営する図書館が計66館ある。このうち55館については、それぞれインターネットでの検索が可能になっている。

残りの11館は、ウェブ蔵書検索システムを準備していないのか、図書館にインターネット接続されていないのかの、どちらなのでしょう。最初読んだときは、後者と感じたのですが、よく読むと前者なのかも…。

県教委は来年2月までにシステムを構築し、来年3月以降、接続可能な図書館から順次サービスを開始する予定だ。

「接続可能な図書館から順次サービスを開始」という点がよく解らないのですが、現在の蔵書管理システムを一掃し、データを移行するのかな。あ。国立情報学研究所の NACSIS-CAT に参加するのかも。

丸山高弘の日々是電網 The First. : 地域の交流拠点

地域の情報拠点は、地域の交流拠点でもある。それなのに、どうして図書館はおしゃべりできる空間を設計しないのか...僕には全く理解できない。

共感します。現在は、公民館などがその役割を担っていると思うのですが、特定の目的(催し物など)が無い場合、異常に行きにくいと思います。図書館は、1人でも書籍があるし行きやすいのだけど、まずは、見知らぬ隣の人に話しかけられる雰囲気を作らないと…。日本で見知らぬ人に話しかけられる機会は、ほとんど無いですね。

図書館9割でHP開設 読書基本計画 格差是正へ数値目標 - MSN産経ニュース
BenlySea_Blog: すべての図書館・図書室はサイトを設置せよ

子供の読解力低下が指摘されるなか政府は11日、読書活動を推進する上での主要施策を数値目標化した第2次基本計画(平成20〜24年度)をまとめた。17年時点で56%にとどまっている公立図書館のホームページ開設率を90%以上に引き上げるなどの到達目標を列記。

読書活動を何故推進しなければならないのでしょうか。読解力は、本を読むことでのみ改善するのでしょうか。ブログの閲覧者を「読者」と呼ばれる今日、読書(書籍を読むこと)以外の情報入手や活字を読むことを評価しても良いのでは?

すべての公共図書館は、サイトを整備して最低限の情報を開示して欲しい。

ウェブサイト開設に関する、具体的な内容が挙がっていました。

図書館は、著作権法の例外が認められるなど特別な施設であることから、基本データを文科省が管理・公開してもいいと思う。

ニューヨーク公共図書館、10億ドルの変革計画 | カレントアウェアネス・ポータル
死ぬほど大雑把に有料化した場合にとられる利用料金を試算してみる - かたつむりは電子図書館の夢をみるか

ニューヨーク公共図書館はこのほど、変化と拡大を続けるニューヨークのニーズに応えるため、5年間で10億ドル(約1,005億円)をかける変革プランを公表しました。

日本の全公立図書館の年間予算(約1300億円)くらいを使って、変革するみたいです。逆に言えば、ニューヨーク公共図書館が背負うサービスには、それだけの価値があるということですね。

上越市 本持ち寄り町中が図書館 新潟 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

お勧め本を持ち寄って、町中を図書館に――。上越市教育委員会が身近に本のある環境を整備しようと、市内の公共施設や事業所などに本棚を設置する取り組みを進めている。

面白い試みです。読書環境を整備するためには、まずは、身近に本が存在しなければならないというのを実行していますね。日本では、いまいち普及していない BookCrossing が絡めば、もっと面白そう。教育委員会が主導しているので、難しそうですが…。

Google Book SearchのAPI公開――書籍情報が組み込み可能に - ITmedia News

米Googleは3月13日、書籍検索サービス「Google Book Search」のAPI「Book Viewability API」を公開した。このAPIを活用することで、Google Book Searchが提供する書籍プレビュー画面や書籍情報ページ、表紙のサムネイル画面などへのリンクを、各種サイトに組み込むことができる。

Amazon 以外に、書籍の表示画像が使えるようになるのは嬉しいですね。ウェブ本棚サービスを開発する際には、利用を検討したいと思います。和書は少なそうだけど…。

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はてなブックマーク - private.ceek.jp の注目エントリー を見ると、図書館エントリのブックマーク率が高いようです。書き手が少ないのかな…。

2008年03月15日 17:09 | Toshokan

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