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2008年06月29日

Googleを支える技術 〜巨大システムの内側の世界

Googleを支える技術 〜巨大システムの内側の世界

友人に勧められたり、検索エンジン作成熱が再発したりと複合的な要因で購入。

たとえば、ふだんなにげなく行っているWeb検索。背後には、想像以上に膨大な計算、多数のコンピュータの働きがあります。本書では、論文やWebなどで公開されているパブリックな情報をもとに、Googleの基盤システムについて技術的な側面から解説を試みています。世界規模のシステムにおける『分散ストレージ』『大規模データ処理』『運用コスト』など注目の話題を盛り込み、学部生をはじめ初学者の方々にもお読みいただけるように基礎知識から平易に説明します。

Amazon.co.jp に書かれた紹介文より。

この本は、教育実習中に読み始め、読み終えた。僕が担当する授業の中で、この本の第1章を解説しようと思ったからだ。僕の授業は、検索エンジンの利用を学ぶというものであった。

ロボット型検索エンジンの全体像(授業のために作成した図)

「僕にしか出来ない授業とは何か」と考えた末、たどり着いたのが「検索エンジンの仕組みを解説する」ということ。仕組みを知って、検索エンジンで出来ること、出来ないことを学びましょうという意図。と、教育実習の話はまた別に…。

本書は、そのような意図に似ている。巷に溢れる Google に関する書籍は、利用する側の立場で、作成する側の立場ではない。技術者は Google を好んで利用するといわれているが、残念ながら、技術者が好む Google に関する書籍は無かった。その穴が、本書で埋められる。

Google の技術はオープンであるといわれていたが、日本語圏にいる限り、そのような実感が無かった。また、それぞれが分断されており、関連性を掴むのが難しかったと思う。本書では、散らばった情報を日本語で纏めており、全体像を掴むのに非常に有益であった。

第1章 Googleの誕生
第2章 Googleの大規模化
第3章 Googleの分散ストレージ
第4章 Googleの分散データ処理
第5章 Googleの運用コスト
第6章 Googleの開発体制

目次の通り、ソフトウェアからハードウェアまで幅広く取り上げられている(第5章は電力問題に関する解説)。巨大なシステムを解説しているが故、直ぐには役に立たないと思ったが、直ぐに取り入れられそうなアイデアが結構あった(時期 CEEK.JP NEWS に取り入れたい)。

Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

Google の組織的(文系的?)な理解を促す書籍として、この2冊挙げる。

検索エンジンに興味のある方には、誰にでもお勧めする。仕組みを知ってこそ、見えてくる部分もある。本書を切っ掛けに、基の論文を読めば、なお良さそうである(関連情報のページを参照)。

英語の重要さも痛感…。

ページ数: 271

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【関連情報】
・[を] Googleを支える技術
 http://chalow.net/2008-03-25-1.html

2008年06月29日 21:30 | Books

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