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2008年10月26日

貸出履歴とレコメンドサービス

図書館利用者の貸出履歴がレコメンドサービスに利用できうることは結構知られていると思うのですが、時系列データを加えると面白そうですね。

現在の協調フィルタリングは、複数人のデータの重複具合を見てレコメンドしてるんだけど、ぼくはこれに時系列データを加えたいと思っています。

数日前に書籍の協調フィルタリングに時系列データを加えた方が面白いという書き込みを見かけ、頭の片隅においていました。似たようなアイデアですが、ニュースの関連記事検索で時系列データを使うと、ある事象を追うのに非常に便利なのではないかと思っていました(数年前に未踏ユースに出したアイデア)。

要約:OPAC(図書館蔵書検索)の検索語にパスファインダーに該当するトピックのキーワードがあるのならば、そのパスファインダーの文献を示してみてはどうかという提案

数日後、図書館の OPAC にパスファインダーの文献も表示すればよいというのを見かけ、どうせなら時系列データを加味したレコメンドの結果を出せば面白そうですね。そのレコメンドに、貸出履歴を大いに活用できるはず。

読書に前後関係、つまり本来あるはずの時系列情報をきちんと付加するというもの。より進んでいけば分野別の(最初に読むべき)入門書の選別までできるようになる。

レコメンドにより入門書の選別まで出来るのであれば、

利用者が概論書、入門書を求めているのだとしたら、そういった書籍を薦めてみるといいのではないでしょうか。

パスファインダーによって求められている結果を自動的に作成できるかも。

キーワード検索に合致した書籍に対し、それぞれ前に読むべき書籍を計算する。その計算結果を集約し、検索結果のリランキングを行う(キーワード検索と合致しない書籍も出る)。まぁ。前に読むべき書籍をクリックでたどれるだけでも面白そうだけど。

読むべき書籍を探すために書籍を借りるのであれば順序が逆になる可能性があるなど、研究としても非常に面白そう。既に先行している Amazon の販売履歴情報は新しい書籍に偏ってそうだけど、大学図書館の貸出履歴情報は古い書籍をカバーできそうとかも(公共図書館はどうだろう)。

次世代 TULIPS や Project Shizuku に期待しています :) まぁ。このテーマで未踏に応募してみようかな。

【関連情報】
・サジェスト・エンジン
 http://smashmedia.jp/blog/2008/10/002092.html
・OPAC(蔵書検索)の検索結果とパスファインダーを結びつけてみてはどうかな:Making OPAC 2.0
 http://note.openvista.jp/2008/opac-result-with-path-finder-data/

2008年10月26日 22:17 | Toshokan

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