« うはははは欠席欠席 | メイン | 12月10日 欠席はっはー »

2007年12月10日

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ

教職論(2006年度)で紹介されていたので購入した。

自分で何かを考えることはあるだろうか。また、考えているつもりでも、それは「本当に」自分の考えなのだろうか。単に、世間で言われる「常識」を信じ、追認しているだけではないか。逆風の時代を生き抜くためには、知識以外の「何か」が必要となる。多くの視点から物事を見ること、即ち「知的複眼思考法」を磨き、自分の頭で何かを考えられるようになろう。

全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!

思考の視点が、前に読んだ本に似ていると思っていたら、学校って何だろうと同じ著者だった。本書は、学校に限らず、もう少し広い範囲で「ロジカルシンキング」を説いている。ただ、著者が教育学者という背景もあり、例は「教育」に関するものが多い。

常識に流されない方がよい、という「常識」があるが、それは正しいのだろうか。本書の中で、そのような問いかけは無いが、読み終わった後に考えてみて欲しいと思う。どの様な答を導き出すことが出来るだろうか。

物事を複数の視点から見ることは、非常に重要であると思っている。理由を聞かれても明確に答えるのは難しいのだが、道が沢山あるほうが解決に近づくかもしれないし、多面から考えれば、考えることが多くなるので、より楽しくなる。結局は、新たに何かを「知る」事が楽しいということに尽き、複数の視点を持つこと「知的複眼思考法」は、その楽しさを促すことが出来ると思う。

クオリティ、という言葉は便利だが、厳密に定義しないとあとで後悔することが多い、と個人的に感じている。

IDEA*IDEA で、クオリティという言葉の弊害について書かれていたが、この弊害に関する解説に近いものも、本書に書かれている。要約すれば、概念化された言葉は、定義が曖昧になるとともに、本質を考えることを鈍らす、ということであるが、詳しくは、本書を読んで欲しい。

弟1章 創造的読書で思考力を鍛える
弟2章 考えるための作文技法
弟3章 問いの立てかたと展開の仕方
弟4章 複眼思考を身につける

知的複眼思考法を身につけるための個々の方法が、各章ごとに分かれており、読みやすいと思う。もちろん、具体例も多い。著者が教育学者であるということもあり、学生や教員を読者層と抑えている節があるが、その他の方にもお勧めしたい。

既に複数の視点を持っている人も、さらに視点を増やして損は無いはずである。

ページ数: 381
読書時間: 2:58 (2.14 p/min)

【関連記事】
教育系の書籍を注文しました (2007年02月26日)

【関連商品】
知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (苅谷 剛彦)

【関連情報】
・クオリティ、という言葉の弊害 - IDEA*IDEA
 http://www.ideaxidea.com/archives/2007/06/post_220.html

2007年12月10日 14:21 | Books

トラックバック

このリストは、次のエントリーを参照しています: 知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ:

» 書評:知的複眼思考法 from 初めてのおもちゃ箱
 一冊の本を読んでここまで疲れたのは久しぶり。 知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)(2002/05)苅谷 剛彦... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年12月27日 23:22

コメント