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2008年03月07日

裁判官の爆笑お言葉集

裁判官の爆笑お言葉集

遠い世界に居る人々の「言葉」を知りたくて。

裁判員制度開始まで約1年であるが、裁判官を身近に感じる機会は殆ど無い(だから裁判員制度が導入されるのだが)。裁判官は、法さえ語れば良いのであろうか。裁判官といえども、人間であり、裁判中に人間味のある言葉を発すことがある。本書では、そのような「言葉」を集めて紹介する。

「爆笑」という冠が付いているが、笑える言葉は無いに等しい。僕が真面目に読みすぎたからかもしれないが…。同様に「言葉」は受け取り手次第だ。被告人と被害者遺族、読者、それぞれ違った受け取り方をしたのではないだろうか。

犯人が人を殺すのは簡単だが、国家が死刑という判決を出すのは大変だということです。皆さん、納得はいかないと思いますが、そういうことです。

未成年者略取などの罪で起訴されるが、「犠牲者数1名」「計画性に乏しい」という面があり、無期懲役の判決を言い渡して。

刑が多いか少ないか、議論はありえます。ただ、殺人でも業務上過失致死でも危険運転致死でも、遺族の気持ちに変わりはないんです。被害者が亡くなったという事実が一番大事なこと。刑期を終えても、ずっと果たさなければならない償いがあります。

被害者が亡くなるという交通事故であるにもかかわらず、当時の法制度では「業務上過失致死」しか適用出来ず、懲役6年の実刑判決を言い渡して。

どちらも、さらに重刑が望まれていながらも、量刑相場や適用刑法により、重刑を下せなかった裁判である。本来、裁判官は、自身の良心に従い「判決の全体バランス」を考える必要は無いはずであるが、結果として、量刑相場が出来上がっています。裁判官にも見えざる力が働いているのだろうか…。後者の適用刑法の問題は、立法の不作為である場合が多いが、裁判官が責められるケースが多いように感じる。特に、検察が重刑を求刑するため、苦肉の策で本来適用しにくい罪で起訴した場合。

ニッポンの暴言

『遠い世界に居る人々の「言葉」』繋がりで、政治家の暴言を纏めた書籍を挙げる。政治家の一部が垣間見える。

ということで、爆笑する言葉は少ないが、裁判官の裏が垣間見える言葉が沢山掲載されている。裁判員制度を1年後に控えており、裁判官のある面を知る助けになるだろう。

余談であるが、僕は、裁判員制度に反対である。やり方が徴兵令のようであり、また、残忍な犯行の詳細を知りノイローゼになったとしても、守秘義務により誰かに相談すること(自身の恐怖感の共有を行うこと)が難しいであろうから。

ページ数: 219
読書時間: 2:04 (1.77 p/min)

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2008年03月07日 23:01 | Books

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