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2008年03月16日

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

多くの方に紹介されたので、購入してみた。

自動販売機で売られているジュースとスーパーで売られているジュースとでは、何故、価格差があるのだろうか。また、価格差があるにもかかわらず双方ともそれなりに売上があるのは何故だろうか。身近な「モノやサービスの価格」について、コストの概念から解説する。

「値段」から社会のしくみがみえてくる!

スタバのグランデの意味を知らなかったのだが、本書で理解することが出来た。スターバックスで売られている、最も小さいサイズ(S, ショート)の2倍の量があるサイズ(G, グランデ)の事である。

SサイズとGサイズが選択できる飲み物であれば、そのすべてで、SサイズとGサイズの価格差は100円ちょうどになっています。Sサイズの価格が280円のコーヒーでも、Sサイズが380円のプレミアムホットチョコレートでも、GサイズはSサイズよりも100円高いだけなのです。

タイトルの解は、引用通り、グランデを購入すれば単価がお得になるということである。消費者側からすれば、単価が下がりお得感があるが、店舗側からすれば、損になるのだろうか…。この答を探していくのが、本書の筋である。

また、消費者視点で書かれており、その筋は「取引コスト」の解説となる。たった数円差の商品を買うために、遠くの店まで出かけることは合理的だろうか。購入者の「取引コスト」が「お金」しかないのであれば合理的であるが、他にも「時間」があるのであれば非合理になりうる、ということである。

子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?

具体的な事例では、選挙公約に挙がりやすい「医療サービスの無料化」が取り上げられている(他にも CD の逆輸入規制の問題なども)。医療は最低限の社会保障制度と密接に関わるため、本書の内容を鵜呑みにするのも難しいが、サービスの無料化は、さらに格差を拡大させる可能性があることを説いている。

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する すべては一杯のコーヒーから

前者は、経済学に馴染みが無くても楽しめるということで、後者は、コーヒー関係ということで(当時の松田代表は既に退任している)。

本書では、経済学に馴染みが無い人のために「取引コスト」を解説している。馴染みが無い人にはお勧めするが、馴染みがある人に関しては、経済学の理解という点ではお勧めしない。ただし、具体例が多いので、楽しめると思う。

ページ数: 284
読書時間: 2:49 (1.68 p/min)

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2008年03月16日 23:13 | Books

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