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2008年06月28日
教育力
教育実習を控え、教育系の本を読もうと BOOKOFF で購入した一冊。
教師に求められるものとは何か。著者は数々の斬新な視点から、それを明らかにする。あこがれの伝染としての教育、祝祭としての授業、社会に食い込む技術、さらには開かれた体、課題のゲーム化……。そこから浮かび上がる「良い先生」の条件は、学校に限らず、企業や家庭で管理職や親として「教える」立場にあるすべての人に役立つであろう。
表紙の裏に書かれた言葉より。
この本は、教育実習前に読み始めた。読了していなかったが、実習期間中に読了した。
教職課程のある授業で「あなたは何故教職課程を受けるのですか?」と聞かれたことがあった(プリントに回答を書く)。3年前くらいかな。僕の回答は「卒業後教員になるかどうかはわからない。しかし、どのような職業に就くにしても『教育』を行う場面に出くわすだろう。その時のために学ぶ。」であった。
僕は、教育実習に参加するとき、非常に悩んでいた。教育とは、いったい何なのだろう…と。教育実習は初めての経験だし、不安になるのは当然なのかもしれない。しかし、自分を支える「芯」が無く非常に心細かった。本書で、その芯を得ることが出来た。
教育の一番の基本は、学ぶ意欲をかき立てることだ。そのためには、教える者自身が、あこがれを強く持つ必要がある。「なんて素晴らしいんだ」という熱い気持ちが、相手にも伝わる。
序章の p.1 で満足できた。他は、その「教育」に対する補足である。
「あこがれ」を生徒に伝えるためにどうすればいいのだろう、と考えた末、校内に入ったら「先生」に徹することにした。案外難しい。校外では、落ち込んだり、このまま旅に出てやろうかと思ったことすらあるが、校内では「先生」に徹した。もちろん、周りから見れば無茶苦茶な先生だっただろうけど…。
「教育実習生」「学生」という意識は、生徒にあこがれを伝える上で、大きな壁になっていると思う。そして、多くの実習生は、その意識が抜けていない。その意識は、自身の能力向上を止めてしまう可能性すらある。「授業をさせていただく」「授業を聞いてくれてありがとう」という言葉が口から出るようであれば、要注意。
「先生」に徹する余り、最後まで「教育実習生」として、生徒に感謝の気持ちを言葉で伝えなかったことは、後悔しているといえば後悔している。過去のことだから仕方ないのだけど。この辺は、書評と関係ないので、別に書かねば…。
教育系の書籍は数冊読んでいるが、実習で特に意識した2冊を紹介。前者は、教科教育(情報科)の際に、生徒にどのような課題を与えるかの参考に(考えるという方向性)。後者は、生徒指導を教科教育に取り入れないかを考えた。
同意しかねる事も書かれていたが、自分を救ってくれた一冊でもある。教育実習を控える学生にお勧めする。
ページ数: 214
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2008年06月28日 22:58 | Books